桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」(オープンプライス・参考価格400円 / 内容量110g)がアツい。昨年8月に発売されるや否や、新感覚の調味料として一気に注目の的に。ロックバンド「怒髪天」の増子直純さんを起用した印象的なテレビCM効果もあり、ブログや口コミサイトでもその人気に火が付いた。結果、全国各地で品薄状態となり、CMはやむなく放送開始12日後に一旦打ち切りになるほど。……ところでこの商品、どうしてそこまでの人気を集めたのだろうか。
"食べるラー油"という新コンセプト
ラー油といえば、思い浮かぶのは餃子のタレに数滴を垂らすあのオレンジの液体、である。しかし「辛そうで辛くない少し辛いラー油」は、従来のラー油とは全く異なるものと考えたほうがよい。フライドガーリックとフライドオニオンがたっぷり入っているのだ。ラー油なのに具だくさん。実際にいただいてみると、まずゴマ油の香ばしさを感じ、じんわりと辛味が後追いしてくる。そして何より、フライドガーリックとフライドオニオンの香りとサクサク食感が楽しい。噛むたびに絶妙な旨さが舌の上ではじけるのだ。辛いだけじゃない。食感と旨味も楽しむ、画期的な"食べるラー油"である。
この画期的な商品、どのようにして生まれたのだろうか。しかもこの長い商品名……。そして、どうして「ごはんですよ! 」の桃屋から?? 様々な疑問がわいてくる。そんな私たちの「?」に桃屋・営業企画室の森本豊彦さんが答えてくれた。
――発売の経緯を教えてください。
桃屋・営業企画室の森本豊彦さん |
実は以前から、フライドガーリックやフライドオニオンを使ったものを商品化できないかと模索しておりました。ガーリックやオニオンは旨味の出しやすい魅力的な素材です。弊社では「ごはんですよ! 」以外に、1975年発売の「キムチの素」、1987年発売の「穂先メンマ やわらぎ」など、唐辛子を使った商品を数多く世に送り出しています。辛味商品には、原料調達や素材開発などの面で独自のノウハウがあります。加えて、辛口ブームも一時の流行で終わらずに定着してきた感がある、というのも背景にあります。
――改めて原材料を教えていただけますか。
厳選した菜種油とゴマ油、色合いのよい粗挽き唐辛子で抽出したラー油をベースに、フライドガーリックとフライドオニオンを加えています。唐辛子味噌やパプリカなども使っています。
――ガーリックとオニオンがサクサクのままなのが不思議です。
「そういった驚きの声が多く寄せられますね。製造方法は企業秘密なのですが……。専用の機械がないと簡単には作れないものです。他社では真似できないものと自負しております」