女優が脱いだり、艶めかしい絡みを披露したり――そんな映画中のセクシーシーンだけを集めて一本にまとめることができたなら、どんなに素晴らしいだろうか。

……そんな童貞中学生の妄想みたいなネタを本当に実行に移してしまったDVDが、今回ご紹介する『魅惑の70'sムービースターヌード大全集~セレブリティ・ヌード・レビュー~』(発売中 5,040円 販売元:ポニーキャニオン)だ。

『魅惑の70'sムービースターヌード大全集~セレブリティ・ヌード・レビュー~』

その内容はというと、70年代の洋画62本からその手の場面ばかりをチョイスしてつないだ「エロ・コレクション」であり、収録作品の方も『ダーティーハリー2』から『エマニエル夫人』、『2300年未来への旅』に至るまで、よくもまあこれだけかき集めてきたなと感心するほどのラインナップとなっている。

たぶんこれでもだいぶ厳選したのだとは思うが、結果的にはエロだけで3時間以上のボリュームに膨れあがり、DVD2枚組という間違った豪華さでの販売となった。さすが、キャッチコピーの"魅惑の70'sムービースターヌード大全集"という言葉は伊達ではない。

DVD全体の基本的な構成は、1970年から79年まで1年ずつ区切りながら年代順に作品映像を流していくという形になっていて、各映像の前には簡単な作品解説や女優のプロフィールなどが挿入される。

ただしそれらはすべて英語で書かれており、日本語字幕はついていないため、おそらくこのDVDを見て各作品の内容を理解できる人はそう多くはないだろう。「女優のヌードを見るためのDVDだから別に作品の内容はわからなくても問題ないよね!」という制作サイドの割り切り具合はいっそ清々しい。

とはいえ脈絡もなくヌードを延々見続けるのはさすがにダレるので、個人的にはやっぱり字幕があると助かるなあと思ったりもしたのだが……。

さて、ここからは個人的に気に入った作品を紹介していこう。実際にご覧いただく際の参考になれば幸いである。

『ラスト・ショー』のシビル・シェパード

まずは1971年公開の『ラスト・ショー』から、シビル・シェパードのヌードシーンだ。シビルが連れてこられた室内プールで楽しそうに遊ぶ全裸の男女たち。なぜ全裸なのかはさっぱりわからないが、ともかく彼らに「君も脱いで遊ぼうよ!」(予想)と誘われたシビルが恥じらいながらも一枚一枚脱衣していく様は見ものである。モノクロ映像ではあるが、シビルの美しさは十分に伝わってくるはずだ。

続いては1973年公開の『赤い影』から、ジュリー・クリスティのベッドシーン。ジュリーが美しいのはもちろんのこと、とにかく彼女と相手の男性との絡みがエロい。よくコレを公開できたなと思うくらいに生々しいベッドシーンをぜひ堪能してほしい。

そしてやっぱり外せない『エマニエル夫人』である。柔らかな日射しの下、一糸まとわぬ姿で泳ぐ女優たちの見事な肢体は必見だ。相変わらず物語の状況はまったく飲み込めないが、水の中の彼女たちを映し出すカメラアングルは芸術的ですらある。まるで海藻のように揺らめくアンダーヘアは当時の男性をことごとく虜にしたに違いない。

『スィート・ムービー』のカロル・ローレ

最後は『スィート・ムービー』から、カロル・ローレがチョコレートまみれになる場面。何やらカロルがチョコを体に塗ってくねくねする映像を撮影しているという設定のようだが、彼女の浴びるチョコレートの量がとにかくハンパではなく、場が完全に"チョコ風呂"状態と化している。そんな中でカロルが官能的に腰を振り、股を開くシーンは、エロいを通り越してなんかもう色々とヤバい。あとたまにアップで映る、彼女を撮影するカメラマンのニヤけた表情が違う意味でヤバい。……そんな表情になってしまう気持ちはよくわかるけれども。なお、彼女がチョコまみれでM字開脚を披露する場面では、珍しく大事な部分にモザイクがかけられているので忘れずにチェックだ。

――以上、4つの個人的お気に入り場面を紹介させてもらった。皆さんもぜひ自分にとってのベストシーンを見つけだしてほしい。

それにしても、余計なインタビューなど一切入れない実用性重視の構成といい、マスターテープのノイズやキズを可能な限り修復した執念といい、良い意味で斜めに突き抜けたDVDである。

現代とはまったく違う70年代ならではのエロス、ぜひご賞味あれ。

収録作品

『マイラ』(1970年)、『わらの犬』(1971年)、『愛の狩人』(1971年)、『ドンファン』(1970年)、『2300年未来への旅』(1976年)、『白衣に秘められた幻想』(1975年)、『シークレット』(1971年)、『美女と無法者』(1976年)、『ライフガード』(1976年)、『赤い影』(1983年)、『O嬢の物語』(1975年)、『エマニエル夫人』(1974年)、『ラビッド』(1977年)、『ビッグ・バッド・ママ』(1975年)、『チャイナタウン』(1974年)、『ナイトムーブス』(1975年)、『午後の曳航』(1976年)、『ラストタンゴインパリ』(1972年)、『ウィッカーマン』(1973年)、『帰郷』(1978年)、『ミスター・グッドバーを探して』(1977年)、『ラストショー』(1971年)、『ヘアー』(1979年)、『ベッツィー』(1978年)、『ザ・ビッチ 淫らな欲望』(1979年)、『ファンタジー』(1974年)、『ウェディング』(1978年)、『コフィー』(1973年)、『ジョー』(1970年)、『狂えるメサイア』(1972年)、『スイート・ムービー』(1989年)、『スローターハウス5』(1972年)、『スローター/怒りの銃弾』(1972年)、『ダーティハリー2』(1973年)、『Ecco Noi Per Essempio』(1977年)、『The Strange Vice of Mrs.Wardth』(1971年)『There's a Girl in My Soup』(1970年)『Where The Eagles Fly』。