連続テレビ小説『ウェルかめ』(NHK総合ほか)が18日、NHK大阪放送局でクランクアップを迎え、ヒロインの倉科カナらがセレモニーを行った。

時折涙で言葉を詰まらせながら挨拶した倉科カナ

昨年5月に徳島ロケからスタートした収録の最後のカットは、波美(倉科)が夫・勝乃新(大東俊介)から重要な相談を持ちかけられる最終回のシーン(3月27日放送)。演技を終えた後のモニターチェックでは、クランクインからこれまでの思い出のシーンを集めたVTRがサプライズで流され、倉科はまだ初々しい自分の姿に「めっちゃ恥ずかしい!」と大照れ。集まったスタッフや共演者たちと笑いながら画面に見入っていたが、チェックが終わり、モニターに"ヒロイン倉科カナちゃん 本当にお疲れ様でした"というメッセージが映し出されると、「えっ、終わりなの?」と思わず声を挙げ、感極まったのか一気に泣き崩れた。続いて母親役の羽田美智子から花束を渡されると、「ありがとう」と何度も繰り返しながら羽田に抱きついて号泣していた。

この後、最後の挨拶に立った倉科は、ヒロイン役を射止めてからこれまでを振り返り、「このNHK大阪放送局でオーディションを受けて、スタッフのみなさんとお会いして、この人たちと一緒にお仕事がしたいと思いました。その夢が叶って約10ヶ月間、朝ドラのヒロインとしてみんなを引っ張って行かなきゃと…。でも今思えば、そんな気持ちなんてなくてよかったんだなって。もっともっとみんなに甘えてよかったんだなと思っています」と感無量の様子。涙でくしゃくしゃになった笑顔を見せながら、「スタッフやキャストのみなさんに支えられてここまで来ました。本当にみんなが大好きでした。ありがとうございました!」と頭を下げた。

モニターチェックの直後、起こった拍手に感極まる

左から、石黒賢、倉科カナ、大東俊介、羽田美智子

そんな倉科に父親役の石黒賢は「世間でインフルエンザが騒がれてるときでも、倉科カナはまったく風邪も引かず、二日酔いにもならず(笑)。本当にこの子は長い間がんばってくれました。僕らはそれについていくだけ。本当に楽しい9ヶ月でした」と温かい労いの言葉を。羽田は「泣かないと思っていたのに、先ほど私の出番が終わったとき、カナちゃんに『お母さん、お疲れさま』と花束渡されたらグッときてしまいました」と涙。「撮影が始まった頃、自分が母親に見えるのか不安だとカナちゃんに話したら、『うちのお母さんと年も近いし、性格もちょっと似てるんですよ。うちのお母さんちょっと変なんで』と言われて(笑)。『カナちゃん、私のどこが変なの?』『いや、そういう意味じゃなくて』って会話をしたのが昨日のことのよう。でも、そのカナちゃんのひと言のおかげで、私はこの子の母としてやっていけると思ったんです」とエピソードを明かして倉科を笑わせ、9ヵ月に及ぶ撮影で絆を深めた"娘"との別れを惜しんでいた。

「この子は本当にがんばりました」と倉科を労う石黒

「気丈でタフで明るいカナちゃんに支えられた」と羽田

スタジオには"おつカメ様でした!""撮りきりでーだ!"の垂れ幕が(右)