前回は、ダイエット中のファストフードの食べ方を紹介した。その他の外食については、どのような点に気をつければいいのか。管理栄養士の大柳珠美氏に聞いた。

1.糖質単品メニューは頼まない

血糖値が上がり、肥満ホルモン・インスリンが出ると、体脂肪の燃焼が妨げられる。減量したいとき、つまり蓄えた脂肪を燃焼させたいときは、この状態をつくらないことが大切だ。血糖値を上げる栄養素は糖質のみ。中でも、ご飯、パン、麺などの主食には糖質がたっぷりと含まれている。チャーハン、ラーメン、うどん、そば、スパゲティ、菓子パン、おにぎりなど、糖質だけの単品メニューには要注意だ。

2.和食の場合

定食などを注文するときは、おかずの衣に注意したい。トンカツ定食や天ぷら定食ではなく、しょうが焼き定食や焼き魚定食を選べば、衣の糖質を摂らないで済む。サイドメニューには、ポテトサラダや根菜の煮物より、豆腐や青菜のごま和えなどがおすすめ。丼ものでは、天丼、かき揚げ丼、カツ丼などよりも、牛丼、親子丼、海鮮丼などの方が安心だ。いずれの場合も、ご飯を少なめにするとより理想的。うどんやそばは、ざるやかけではなく、温泉卵や油揚げ、鴨など具が入ったものがいい。天ぷらや天かすなどのトッピングや、ご飯、おにぎりなどとのセットメニューは避けよう。

3.洋食の場合

スパゲティは具のないペペロンチーノなどよりも、具のあるミートソース、ペスカトーレなどをチョイスし、麺も少なめに。オムライスは卵はしっかり食べていいが、ライスは少し残すようにしよう。カレーライスは、いもや根菜など糖質の多い野菜カレー、カツカレーやコロッケカレーなどより、チキンやビーフ、キーマカレーなど、たんぱく質がしっかり入ったものにしたい。ナンの食べ放題には手をつけないこと。ハンバーグ、チキンソテーなどの定食系は、おかずをしっかり食べてご飯やパンを少なめにしよう。つけあわせのマッシュポテトやフライドポテト、コーンなどはNGだ。空腹感や足りないエネルギーを補う場合は、間食でチーズ1ピース、ナッツひとつまみなどをとる程度にしたい。

4.中華の場合

ラーメンは、赤身のチャーシューであればチャーシュー麺を注文し、煮卵、わかめ、メンマなどをトッピング。具をしっかりと食べて、麺は半分残すようにする。天津丼や中華丼も同様に、とろみとご飯は残して糖質の量を減らそう。チャーハンはほぼ糖質のみなので避けたい。定食系では、ニラ玉、ニラレバ、チンジャオロースーなどは、比較的糖質が少なく、たんぱく質がしっかり摂れるのでおすすめだ。衣がついたもの、甘いソースがからんだものは選ばないようにしたいが、どうしてもというときはご飯の量を減らして糖質の量を調整するようにしたい。

5.カフェの場合

カフェは、パン類だけではなく、キッシュや魚介のサラダ、オムレツ、肉や魚介ソテーなどのおかずプレートのあるお店がおすすめ。つけあわせのパスタやマッシュポテト、焼きたてパンなどは、優先順位をつけ、どれかを残すなどしながら全体の糖質量を調整しよう。パン類が中心のカフェでは、菓子パン系には手を出さず、スモークチキン、スモークサーモン、ツナや卵など具だくさんのサンドイッチをチョイスする。飲み物は、果物ジュースや砂糖がすでに入ったラテなどではなく、ノンシュガーのものを。スティックタイプの糖質ゼロ甘味料を携帯しておけば、外出先でもドリンクに甘味を加えられるのでおすすめだ。

PROFILE : 大柳珠美(おおやなぎたまみ)
管理栄養士。NPO法人糖質制限食ネット・リボーン理事。明星大学人文学部卒業。二葉栄養専門学校卒業。都内の3つのクリニックで、糖尿病、機能性低血糖症、脂質代謝異常、肥満等、生活習慣病の治療、予防のための食事指導を担当。講演会、レシピ提案、監修等を通し、広く情報を発信。著書に『糖尿病のための糖質オフごちそうごはん』(アスペクト社)をはじめ、『糖質オフのおいしいお菓子とパン』(アスペクト社)、『満腹ダイエット』(プレジデント社)の監修等がある。