iPhoneでの各種制限を無効化する"Jailbreak"行為に悩まされる米Appleだが、いらついた同社はとうとう強攻策に出たようだ。Jailbreak技術を開発しているハッカーたちが14日(米国時間)、自身の持つApple IDアカウントが一斉に無効化されたことをTwitter上で報告している。
今回の出来事を報告しているハッカーの1人はSherif Hashim氏で、同氏は先日Appleが配布開始したiPhone OS 3.1.3のハッキングに成功している。Redmond Pieによれば、このハッキングによりiPhone 3G/3GS上の05.12.01ベースバンドソフトウェアのアンロックが可能になり、結果としてiPhoneをSIMフリー端末化できる。ところが同氏が14日、いつものようにApp Storeへのアクセスを試みたところ、「This Apple ID has been disabled for security reasons.」(セキュリティ上の理由によりこのApple IDは無効化されています)と表示され、接続を拒否されたという。「彼らは相当カンカンだったんだろうな。笑いが止まらん。子供かよ」と同氏のTwitterアカウントに記されている。
"Your Apple ID was banned for security reasons", that's what i get when i try to go to the app store, they must be really angry :))))) 4:21 PM Feb 14th from web
and guess what my apple ID was, "sherif_hashim@yahoo.com", what a fool was me not to notice :))), can't help laughing, they are babies :))) 4:23 PM Feb 14th from web
その後、同氏は新しいApple IDを取得したようだが、今まで使っていたクレジットカードは利用できず、同氏の妻の持っていたVisaカードを利用したようだ。メールアドレスとともにクレジットカード番号もブラックリスト化されたということだろう。
Had a new account already, but using my wife's visa as mine was just rejected
3:33 PM Feb 15th from web
そしてこれに呼応する形で、別のJailbreakハッカーもApple IDを無効化されたことをHashim氏のTweetへの返信の中で報告している。
@sherif_hashim lol, they did that to my ih8sn0wyday[@t]googmail.com too. (right after I posted XEMN)...
4:53 PM Feb 14th from web in reply to sherif_hashim
このiH8sn0wは、同じくiPhone OS 3.1.3をハックするツール「sn0wbreeze」を開発した人物で、腕利きのハッカーとして知られている。同氏はiPhone OS 3.1.3提供開始から数日内でsn0wbreezeの最新版を公開しており、その直後に今回の措置を食らったようだ。
今月3日に公開されたiPhone OS 3.1.3だが、いくつかの脆弱性やバグの修正の他、ベースバンドチップのファームウェアを05.11.07から05.12.01へとバージョンアップさせている。このバージョンアップはベースバンドソフトウェアに対する従来までのハッキング行為を無効化させるのが目的だったといわれており、それがわずか数日で破られたことになる。当該のハッカーや関係者らは、こうした今回のApple ID無効化措置をAppleによる報復だと考えている。