セル枠線の改善

OpenOffice.org 3.1.1では四角のみでなく複数のセルを選択した場合、枠線の変更を実施することができない。O3.2.0ではこの点が改善され、複数セルが選択された状態でも枠線の指定ができるようになっている。OpenOffice.org 3.2.0ではこれ以外に複数セルに関する処理が改善されており、ちょっとした利便性が向上している。

OpenOffice.org 3.1.1 - 複数の領域を選択しての枠線処理はできない

OpenOffice.org 3.2.0 - 複数の領域を選択しての枠線処理も機能する

IPアドレスなどのオートフィル

OpenOffice.org 3.1.1ではIPアドレスのような数値をオートフィル機能でうまくインクリメントすることができなかった。最上位の数値がインクリメントしてしまうか、同じ数値がコピーされるだけだった。OpenOffice.org 3.2.0ではこの点が改善され、IPアドレスのような数値もおもったようにオートフィルが機能するようになっている。特に連続したIPアドレスを入力する場合に便利。

OpenOffice.org 3.1.1 - IPアドレスのような数値をオートフィルしてもうまく行かない。または上位の数値がインクリメントする

OpenOffice.org 3.2.0 - IPアドレスのような数値のオートフィルもうまく機能する

並べ替えエリアの改善

OpenOffice.org 3.2.0では並べ替え処理を実施する場合に、よりインテリジェントに対象範囲を修正するかどうかの変更が提案されるようになっている。OpenOffice.org 3.1.1では選択された領域のみが並べ替えの対象となるが、OpenOffice.org 3.2.0ではより適切な領域へ修正しようと処理が実施される。

OpenOffice.org 3.1.1 - 選択した領域のみが並べ替えの対象となる

OpenOffice.org 3.2.0 - 選択した以外の領域も対象にすべきではないかという提案ダイアログが起動してくる

OpenOffice.org 3.2.0 - 提案された領域も含めて並べ替えを実施

グラフにバブルを追加

OpenOffice.org 3.1.1のグラフにはバブルは用意されていないが、OpenOffice.org 3.2.0 ではこれが追加されている。これまでバブルでグラフ化するにはほかの方法を利用する必要があったため、これでOpenOffice.org Calcの適用範囲が広がったことになる。

OpenOffice.org 3.1.1 - グラフ候補にはバブルは用意されていない

OpenOffice.org 3.2.0 - グラフ候補にはバブルが追加されている

状況によっては最大で50%ほどコールドスタートの時間が短縮されているとはいえ、一度起動されたあとはウォームスタートで起動してくるため、起動時間の高速化は体験しにくいかもしれない。また今回追加された機能や改善点は使っていても気がつかないかもしれない。しかしながら、ちょっとした変更が作業のストレスを減らしスムーズな作業を実現してくれる。大きな変更もないため、従来のバージョンに固執する理由がなければアップグレードを実施したいバージョンといえる。