スタンダード&プアーズは15日、あおぞら銀行と新生銀行が2010年10月に予定していた合併を断念する方針を固めたと一部で報じられていることについて、仮に報道のとおり合併が撤回された場合、両行の格付けに対する引き上げ方向の「クレジット・ウォッチ」を解除し、アウトルックを「安定的」に戻す可能性が高いと発表した。
スタンダード&プアーズでは、合併が実現すれば、規模拡大により日本の金融システムにおける両行の重要性が増し、必要時に政府支援を受ける蓋然性が高まるとの見方から、格付けに政府支援を織り込む可能性が高いと考えていた。だが、合併が撤回された場合、「その可能性が後退するため」(スタンダード&プアーズ)、両行の格付けに対する引き上げ方向のクレジット・ウォッチを、解除する可能性が高いとしている。
あおぞら・新生両行の長期カウンターパーティ格付けと長期債格付けは、合併の基本合意が発表された2009年7月1日以降、引き上げ方向のクレジット・ウォッチに指定されている。