英Sony Ericssonは14日(現地時間)、スペイン・バルセロナで15日に開幕する「Mobile World Congress 2010(MWC 2010)」に先立ってプレス向け発表会を開催。クレジットカードサイズの「Xperia X10 mini」と「Xperia X10 mini pro」、および「Vivaz pro」の3機種を発表した。
Sony Ericssonは昨年2月に開催されたMWC 2009で、「コミュニケーション・エンターテインメント」というキーワードとともに、コミュニケーションとエンターテインメントを合わせる方向性を打ち出している。MWC 2010では、初のAndroid搭載機「Xperia X10」、それに1月に発表した最新のSymbian搭載機「Vivaz」、と2種類の既存モデルに新しいフォームファクタを持たせた3つの新機種を発表した。
主力は「Xperia X10」、小型化2機種で製品ラインを拡充
日本でもNTTドコモから発売が決定した「Xperia X10」は、世界的に高い評判を得ている。Androidの高いカスタマイズ性を生かし、Sony Ericssonらしさが出た完成度の高いスマートフォンとなった。
Sony Ericssonのエグゼクティブ・バイス・プレジデント兼チーフ・クリエーション・オフィサーの坂口立考氏は「Xperia X10」について、コミュニケーションとユーザー生成コンテンツなどの新しいメディアをどのように組み合わせるかを考え、設計から市場供給まであらゆる段階に反映させたとしている。
キーワードは、「エモーションとラショナル(理性)」。端末デザインでは、ゆるやかな曲線など手にしたときにユーザーを魅了するようなデザインを追求。ソフトウェア/アプリケーション側ではグラフィックにとどまらない改良を加えた。その一例がAndroid向けの独自インタフェース「UXP(User Experience Platform)」だ。サービス統合、シグネチャーアプリケーション、リッチグラフィックユーザーインタフェースの3つのコンポーネントを持つ。シグネチャーアプリケーションは、電子メール、SMS、Facebookなどのコミュニケーションを一カ所に集める「timescape」、音楽などのメディアのオフライン・オンライン情報を表示する「Mediascape」などがある。UXPは「開発戦略のコアとなる」と坂口氏は述べた。
今回発表した3つの新製品の大きな特徴を以下の通り。
「Xperia X10 mini」「Xperia X10 mini pro」はともに、クレジットカードサイズ(miniは約83×50×16mm、mini proは約90×52×17mm)のコンパクトタイプ。2.55インチ(240×320ピクセル)のタッチ画面と5メガピクセルのカメラを搭載するほか、HSPAをサポート、Wi-Fi、A-GPSなどにも対応。WebやYou Tubeから音楽コンテンツを集める「Infinite」ボタンも特徴で、オンライン音楽ストア「PlayNow」のほか、「Android Market」もアクセスできる。
クレジットカードサイズの「Xperia X10 mini」(左)と「Xperia X10 mini pro」(右) |
背面。左が「Xperia X10 mini」、右が「Xperia X10 mini pro」 |
「Vivaz pro」は、2010年1月22日に発表された「Vivaz」のQWERTYキーボード需要に答えた端末。「Vivaz」は、3.2インチの画面と8.1メガピクセルのカメラ、それにHD動画の撮影と再生を特徴とするエンターテインメント端末。「Vivaz pro」では、「Vivaz」のエンターテインメント機能はそのままに、QWERTYキーボードを追加し、カメラは5.1メガピクセルのものを搭載する。加えて、端末の厚さをオリジナルの「Vivaz」から+2mmに抑えている。
今回発表された3機種は、2010年第2四半期に提供を開始する。「Vivaz」「Xperia X10」は第1四半期の提供を予定している。