ウィルコムは12日、2009年10月から12月に阪神電気鉄道、アイテック阪急阪神、阪神ケーブルエンジニアリングと共同で行った実証実験の成果を発表した。実験内容は、阪神本線(大阪府大阪市~兵庫県神戸市)の地下を含む一部区間(梅田~福島~野田)において、「WILLCOM CORE XGP」を活用したネットワークを構築し、実験対象区間全域を移動しながら、大容量データの送受信を中心とした高速のデータ通信が利用可能か検証するというもの。
本実験により、各駅周辺の最適な位置にXGP基地局を1カ所ずつ設置することで、沿線全域を隙間無くカバーするXGPネットワークの構築が可能であることを確認。加えて、XGPの上り通信速度(最大20Mbps)を活用することで、広帯域のライブ映像(MPEG-4、VGA、30フレーム/秒、4Mbps)の伝送が、電源があれば沿線全域(線路、ホーム、駅周辺)で安定送信できることを確認した。さらに、走行と停止を繰り返す商用運転中の阪神電車の車両内において、XGP対応端末「GX001N」とノートPCで、連続的に上下最大20Mbpsの高速モバイルデータ通信を快適に利用できることを確認した。
今後は、阪神沿線地域をはじめとする各所のXGPエリア構築に目指すとともに、ライブカメラやデジタルサイネージなど、鉄道沿線を重視したサービスやソリューションについても検討を進めるとしている。
このほか同社は、日の丸自動車興業、大手町・丸の内・有楽町地区シャトルバス運行委員会と共同で、シャトルバスに搭載したカメラのライブ映像を伝送・配信するビジネスの構築・事業化を目指した実証実験を行うと発表した。実験は2月から3月にかけて実施する。
今回の実験は、ウィルコムが提供する上下最大20Mbpsの高速モバイルデータ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」を活用したもの。XGPの高速無線データ通信を使用して、都内丸の内を中心とした地区を走る「丸の内シャトル」の運転席に設置された車載カメラにリアルタイム映像伝送を行う。また、車内にXGPを利用した無線LANアクセスポイントを設置し、対応機器にてデータ通信が利用できるようにする。
実験の結果を踏まえ、車両の安全確保のため車載カメラからの映像を記録・配信するなど、XGPの優位性を活かした無線インフラ整備とリアルタイム動画コンテンツの開発を検討する。