米Microsoftは2月11日(米国時間)、米サンフランシスコで開催中のMacworld 2010において、Mac用プロダクティビティスイートの次期版となる「Office for Mac 2011」の詳細を明らかにした。
次期版では"互換性"が大きな強化点になる。これまで互換性というと、バージョンやプラットフォームの違いを乗り越えるファイル互換が問われていた。Office for Mac 2011では、さらにワークフローやコラボレーション機能、さらにユーザーインターフェイスに至るまでWindows版との整合が図られている。
たとえばWordとPowerPointでは、最新の共同編集ツールを活用することで、時間や場所、プラットフォームの違いなどの影響を受けずにスムースかつ正確に共同作業を進められる。SkyDriveあるいはMicrosoft SharePointにファイルをアップロードし、複数によるファイルの共有・コラボレートが可能。Office 2011から「Microsoft Office Web Apps」にアクセスでき、同機能を使えばExcelファイルも共同編集できる。
Office 2008ではユーザーインターフェイスに「Elements Gallery」が採用された。リボン・インターフェイスに刺激を受けて開発されたためリボンによく似ているが、ギャラリーから要素を選ぶという点でWindows版と異なる。Office 2011は、Mac向けにカスタマイズされたリボンを備える。これにより頻繁に使用される機能の80%以上が初期設定の画面に表示され、より効率的にツールにアクセスできるようになる。またWindows版との違いにとまどうことなく操作できる。なおかつMacメニューやツールバーも残されており、さらにショートカットキーを活用する上級ユーザーはリボンやツールバーを隠して画面全体を利用できるなど柔軟性も兼ね備える。
Office 2011では電子メール、連絡先/スケジュールの管理ツールが、現在のEntourageからOutlookに置き換わる。.PSTファイルのインポートに対応。Information Rights Management (IRM)を搭載しており、コンテンツへのアクセス権を厳格にコントロール可能。Microsoft Exchange Serverと併用することで、時間と情報を管理する統合的なソリューションを導入できる。その一方で、Cocoaで開発されたOutlook for Macは、Spotlightでの検索やTime Machineでのバックアップに対応するなどMac OSとの親和性も向上している。
Office for Mac 2011 は、北米では2010年内に発売となる予定。日本での提供時期については後日発表される予定。