日銀が10日発表した1月の国内企業物価指数(速報、2005年平均=100)は前年同月比マイナス2.1%の102.4だった。13カ月連続の前年比マイナスとなるが、下落幅は5カ月連続で縮小しており、前月比では0.3%の上昇となっている。
企業物価指数は、企業間で取引される財の物価の変動を示すもので、景気動向や金融政策の判断材料を提供する目的がある。国内企業物価指数、輸出物価指数、輸入物価指数から構成されている。
国内市場向け国内生産品を対象にした「国内企業物価指数」が前年水準を下回るのは昨年1月から。7、8月のマイナス8.5%まで下落幅は拡大を続けていたが、9月以降下落幅は縮小が続いている。上昇幅が大きかったのは「石油・石炭製品」(+24.2%)、「非鉄金属」(+22.9%)など。下落幅が大きかったのは「鉄鋼」のマイナス17.3%、「情報通信機器」のマイナス8.2%など。日銀調査統計局によると「情報通信機器」のなかでも特に携帯電話や印刷装置等が下落に寄与しているという。
前月比でのプラスに寄与したのは「石油・石炭製品」、「非鉄金属」など。マイナスに寄与したのは「農林水産物」や「情報通信機器」「鉄鋼」など。
輸出物価指数(円ベース)は88.4で、前年同月比でマイナス2.7%、前月比ではプラス1.6%。輸入物価指数(同)は105.0で、前年同月比プラス10.4%、前月比でプラス1.5%となっている。契約通貨ベースでも輸出物価指数が前年同月比プラス0.7%、輸入物価指数が同プラス0.2%とそれぞれ上がっている。
日銀調査統計局の担当者は「前月比で上昇した背景には、アジアを中心として海外の景気が堅調なことで石油、石炭、非鉄などの価格が上がっていることが背景にある。前年との比較では、原材料価格が上がってきている一方で、国内の製品価格が下がっており、その結果としてマイナスになっている」と話している。