あなたはカメラを落としたことがあるだろうか。私はある。カメラと地上が触れ合う刹那、「ガシャ!」という衝撃音とともにすべてが終わる。これが「ボチャ!」なら、撮った写真もほぼ絶望。あぁ、こんなことなら耐衝撃・防水仕様のタフネス・モデルを選んでおけば良かった…と嘆いてもあとの祭り。

有効1210万画素の耐衝撃デジカメ「EX-G1」。汚れたら、ためらわずに水洗い!

実は、タフネス・デジカメが欲しいと思うことは意外に多い。海水浴ではカメラをもったまま海に入れるし、スキーやスノボではポケットに入れて滑ることができる。防塵性能があれば、グラウンドでも埃をおそれずに野球やサッカーの撮影がおこなえる。たとえ汚れたって、ワイルドに水洗いすればいいのだ。

先鋭と伝統を両立した優れたデザイン

近年、タフネス・デジカメが注目を集めつつある中、カシオの新ブランド「EXILIM G」から、高画質と堅牢さを追求したモデル「EX-G1」がリリースされた。G1の「G」はいうまでもなく、皆さんご存じの時計ブランド「G-SHOCK」のそれである。そのカシオの顔ともいえるアイデンティティーを製品に込めたことからも、同社のただならぬ自信が窺える。そこで今回は、このタフネス・デジカメの注目株、EX-G1のレビューをお届けしたい。

レンズ部はまさしくG-SHOCKのイメージそのもの。焦点距離は38~114mm相当の3倍ズーム

外観は、登山・自転車系ギアを連想させるハードなデザイン。すでにこれだけで物欲を抑えきれなくなりそうな、刺激的なスタイリングだ。また、レンズ位置を外側にオフセットした伝統の意匠をしっかりと踏襲しており、ひとめでEXILIMであることが認識できる。 しかも、厚みはわずか19.9mm。重量はカード、バッテリー込みで154gと極めて軽い。前述の堅牢さも相まって、少しでも荷物を軽量コンパクト化したい登山などにうってつけのカメラだと思う。

保護を重視すべきレンズ側には、装着式のプロテクターが用意されており、役割、形状ともに車のバンパーのイメージに近い。ヘビーデューティーな使い方を想定するなら、これを利用すればより安心だ。ちなみに装着はネジ止め式で、細密ドライバーを使用する。

デザインが異なる2種類のプロテクターが付属

背面には、2.5型TFT液晶モニターと操作ボタンが並ぶ。液晶モニターは発色がややアンバー気味だが、撮影しているうちに気にならなくなるレベル。操作ボタンの凹凸は必要最低限で、サイズも大人の手にはやや小さい。が、右側に集中して整然と並んでおり、慣れれば片手で操作できる。カチッ、カチッというクリック感が小気味よい。

液晶モニターは約23万画素ながら、日中の屋外でもたいへん見やすい

ロックダイヤルをつまんで回すとインタフェースカバーがオープン、microSD用スロットとUSB/AVポート(High-Speed USB)が顔を出す。これは、よく目にする爪で引っかけてフタを開けるタイプより開けやすく、また安心感もある。ギミック的にも楽しい。

記録メディアはmicroSDHC/microSDに対応。さらに35.7MBメモリーを内蔵

底面のロック爪をずらすとフタが開き、この奥にバッテリーベイがある。このフタの開閉部分はかなりタイトで、少々開けにくい場合があるが、そのぶん防水能力も高いと思えば許容範囲だろう。…つづきを読む