Windows 7のバッテリ交換を促すダイアログメッセージ (Engineering Windows 7 Blog「Windows 7 Battery Notification Messages」から引用) |
販売好調が伝えられるWindows 7だが、パフォーマンスやUIが改善されたと高い評価を受ける一方で、ノートPCのバッテリに関する問題がヒートアップしつつある。これまでWindows XPやVistaを使ってきたノートPCユーザーがWindows 7へのアップグレードを実施すると、とたんに「バッテリの交換をお勧めします」のメッセージが表示されたり、これまで2時間使えていたバッテリが突然短時間しか使えなくなったりするなどの症状が報告されている。
Windows 7のバッテリ問題に関する話題は、TechNetの掲示板などでも長きにわたって議論が続いている。これについて米Microsoftでは8日(現地時間)にEngineering Windows 7 Blogへの「Windows 7 Battery Notification Messages」という投稿で、現状のステータスと、同社としての見解について説明している。
Microsoftによれば、問題となっている「Consider replacing your battery.」メッセージはWindows 7に内蔵された新機能で、バッテリ情報などOEMハードウェアが提供するステータス情報を読み取ってOSが取り替え時期の判断を行っているものだという。今回のメッセージが出るしきい値は、60%の減衰状態、つまりフルの状態からバッテリの満容量が40%を切ったときに出現するという。
同社はこの機能自体はすべてハードウェアの情報を基にしており、ソフトウェア側で何らかの問題があるとは考えにくいとしている。可能性としては、Windows XPやVistaからアップグレードしたユーザーで問題が発症していることから、「これまで問題を抱えていたバッテリを使っていたユーザーが、同機能をサポートしないOSからWindows 7へとアップグレードしたことで突然メッセージが出現して驚いただけでは?」といった見解を述べている。その一方で、ユーザーからのクレームが多いため、引き続き調査中であるとも付け加える。
だが、eWeekなどのレポートによれば、問題はより複雑な事情によるかもしれない。「購入後1年未満にも関わらずにバッテリ警告のメッセージが出た」といった報告が複数あるほか、深刻なものでは「Windows Vista時代には2時間使えていたバッテリが、Windows 7へのアップグレード後に急に10分も持たなくなった」という例もある。いずれにせよ、一般ユーザーで購入1年程度のノートPCのバッテリが半分以下の出力になることも考えにくく、複合的な問題の可能性も高い。バッテリ問題を経験して、すぐにVistaへとダウングレードしたというユーザー報告もあり、もし今後Windows 7へのアップグレードを検討しているノートPCユーザーは、こうした問題の存在だけは知っておいたほうがいいかもしれない。