北野武監督の最新作『アウトレイジ』の完成報告会見が8日、東京国際フォーラムで行われ、北野監督をはじめ、椎名桔平や塚本高史らキャスト11名が一堂に会した。
『アウトレイジ』は、北野監督7年ぶりとなるバイオレンス・アクション映画で、ヒーロー不在・登場人物全てが悪人という異色作。物語は、関東一円を取り仕切る巨大暴力団"山王会"の若頭・加藤(三浦友和)が、直参である池元組組長・池元(國村隼)に苦言を呈することから展開していく。加藤は池元と古参の弱小ヤクザ村瀬組の組長(石橋蓮司)との蜜月を怪しみ、池元に村瀬組を締め付けるよう命令。そして、池本はその役目を配下である大友組の組長・大友(ビートたけし)に任せる。池元の後始末や面倒で厄介な仕事は、いつも大友の仕事となる---
北野監督は、今回の俳優陣が全員北野作品初出演であることに触れ、「まず映画を撮るときに、『1回も組んだこと無い役者さんで撮って』と言われた。いかにこれまでの映画が当たっていないかっていうことなんですけど」と自虐ネタで会場を笑わせた。が、映画の内容になると「今回は笑いを無くそうと思った」と、映画の見どころを語り始めると真剣な表情を見せ、「笑わせる気は全然無いんですが、人間はあまり痛かったり暴力的に過ぎると笑ってしまう。極限状態になると笑うしかないというか」と、同映画に盛り込まれた"エンターテイメント性"について話し、「『あれ、俺酷いところで笑ってるぞ』という、笑うべきでないところで笑ってしまうという人間の追い込まれたときの状況が上手く出たのではないかと思う」と、満足そうに話していた。