499ドルという値付けに多くの人が驚いた米AppleのiPadだが、あるアナリストによれば、もしAppleが当初想定したほどの売れ行きを見せなかった場合、iPadのさらなる値下げに踏み切る可能性があるという。
同件を報じているのは米Wall Street Journalで、Credit SuisseのアナリストBill Shope氏のレポートの一部を紹介している。iPadが発表された直後、アナリストらの間ではiPadがAppleの他の製品ラインと需要の共食いを始めるのかどうかについて議論が多数交わされていた。
その多くは、MacBookなどのノートPC製品の市場が影響を受けることはほとんどなく、一番市場がバッティングするiPod touchでさえ多くて2割程度と、非常に緩やかな侵食にとどまるとの意見が占めていた。iPadがWebブラウジング部分に特化しており、他の製品はそれぞれのカテゴリにより最適化される形で棲み分けていくという考えだ。Appleではこうした自社製品内での共食いという懸念を払拭すべくアナリストらとのミーティングを繰り返しており、今回のShope氏もそうして同社幹部と話し合いを行った人物の1人だ。
Shope氏はAppleの価格戦略について触れ、もしiPadが当初想定したほどの需要を生み出せなかった場合、同社はさらなる価格切り下げに向かうことを示唆していたという。幹部らはiPadの初期販売動向を見極める一方で、同社の想定値に顧客数が達しなかった場合、価格について柔軟に対応していくとのことだ。まずは3月発売のWi-Fi版、そして4月のWi-Fi+3G対応版、6月の3Gインターナショナル版と3段階のローンチを経て、秋以降の対応を考えることになるだろう。