「HTML5があるからFlashは必要ない」とは、米Apple CEOのSteve Jobs氏を含む複数の業界関係者らの見解(【レポート】Apple ジョブズCEOの"怠け者"発言にAdobe CTOが反論 - Flashの裏事情と見解)だが、確かにHTML5の登場がFlashがこれまで担っていた役割の一部を置き換えていくことは確実だろう。HTML5の機能や実力を紹介するパワーデモはいくつか存在するが、今回紹介するドローイングソフト「Sketchpad」もその1つだ。
「Sketchpad」のサイト。画面写真の例ではSafari 4.0.4でアクセスしている |
百聞は一見にしかず、まずはSketchpadのサイトにアクセスしてみてほしい。HTML5をサポートしているWebブラウザであれば、ここに掲載したサンプルのような画面が出るはずだ。HTML5では「Canvas」タグのサポートが行われるが、これによりグラフ描画が容易になるほか、今回のSketchpadのようなドローイングソフトの表現が可能になる。JavaScriptとCanvasを組み合わせることで、HTMLのみでちょっとしたドローアプリケーションの出来上がりだ。これまで、グラフ描画や高度なグラフィック表現のためにFlashやFlexが利用されるケースが多かったが、今後はこうした用途ではHTML5の利用が進んでいくことだろう。
HTML5ではこのほか、ビデオ再生やオフライン動作モード、ローカルストレージへのアクセスといった機能が提供される。GoogleもChromeの最新バージョンではGearsよりもHTML5サポートを優先するとしており、一気にメジャーな存在としてクローズアップされることになりそうだ。Flashをいきなりすべて置き換えることは現実的ではないとしても、その役割の一部は順次HTML5へと移行していくことになりそうだ。