先日、iPhone向けSkypeが3GでのVoIP通話に対応したことをお伝えしたが(『iPhone用「Skype」"3G回線通話"にまもなく対応 - iPad用も検討中』)、次はTV映像をストリーミング上映するSlingPlayerが解禁されることになった。米国でのiPhone独占提供キャリアである米AT&Tは4日(現地時間)、Sling Mediaの「SlingPlayer Mobile」が同社の3G回線上で使用可能になったと発表した。

「SlingPlayer Mobile」

SlingPlayerとは、自宅に置いたSling Mediaの「Slingbox」と呼ばれるデバイスを中継して、ストリーミング映像を再生するための専用プレイヤー。SlingboxをCATVや衛星といった映像ソースに接続しておくことで、好きなデバイスでTV映像を楽しめることが特徴のサービスだ。だが、これではWindowsやMac OS Xなどが必要になるため、外出先から携帯電話等でもSlingが利用できるようにSlingPlayer Mobileという携帯バージョンが存在する。またSlingPlayer Mobile for iPhoneのケースでは、ストリーミング機能を利用する場合はWi-Fi経由のみという制限がついていた。こうしたストリーミング系のソフトウェアは多くのネットワーク帯域を食うことになるため、AT&Tがキャリア側で制限を課していたといわれている。

だがAT&Tによれば、昨年12月中旬ごろからSlingPlayerでの3G中継機能のテストを続けており、解禁しても問題なしとの判断をSling MediaとAppleに対して通達したという。SlingPlayerはすでに3Gネットワーク上で動作しても問題ないよう最適化されており、AT&Tでは今後もこうしたネットワーク帯域の消費にシビアなアプリの提供を続けていくと説明している。

同アプリの利用には前述のようにSlingboxが必要なほか、対応OSとしてiPhone OS 3.0以上、iPhone 3G以降の3G対応プラットフォームが要求される。現在、SlingPlayer Mobileの価格はApp Storeで29.99ドルとなっているが、提供地域が北米または英国に限定されており、日本のApp Storeからは利用できない。