「Intuos4」はそれまでの製品に比べ、使い心地が格段に向上したプロ仕様のペンタブレットである。そのIntuos4の機能とデザインはそのままに、ワイヤレスになったのが2月26日に発売される「Intuos4 Wireless」だ。ワイヤレスで活用できるこの最新ペンタブレットIntuos4 Wirelessを最速レビューする。

実際、見た目のデザインはほぼ同じで、外観の変化と言えば、ワイヤレス用のライトが本体右側部分にレイアウトされたことと、これまで2カ所にあったのUSBケーブルのコネクタが、1カ所になったという部分だ。もちろん、機能もワイヤレスになった以外は変更もなく、ペンの高性能(読取分解能0.005mm・読取精度±0.25mm・読取速度200ポイント/秒・筆圧レベル2048レベル)により実現された自然な描き心地も保たれている。

見た目のデザインはほとんど変わらない

現行モデルでは2カ所あるUSBケーブルのコネクタが1カ所になった

本体の重量やサイズに変化は?

ワイヤレスでいちばん気になるのは、電池によって本体が重くなってしまったのではないかという点だ。実際に本体の裏のフタを開けて、リチウム電池の重量を計ってみると、その重さは約41gに過ぎなかった。

Intuos4 Wirelessは、いままでのIntuos4シリーズのミディアムサイズに相当する大きさだが、比べると全体の重さはむしろ少し軽くなっている。ミディアムサイズ約1kgに対して、ワイヤレスモデル約0.9kgと見た目の印象よりも、改良化が図られている。

また、本体をよく見ると、サイズもミディアムサイズ370×254mm→ワイアレスモデル363×253mmと心持ち小さくなっている。あちこち移動したり膝の上で扱うことも考えて細かい配慮がなされている。

電池は充電式リチウムイオン電池

充電方式は?

次に気になるのがIntuos4 Wirelessの充電方法。Intuos4 Wirelessの充電はUSBケーブルを接続しておこなうようになっている。結局USBケーブルを使わなくてはならないので、あまりこれまでのIntuos4と変わった印象がない。

作業中に電池が切れたら不便だと思っていたのだが、USBケーブルで接続しておけば、既存のモデルと同じように使える。つまり、ワイヤレスに対応していないパソコンも、有線派の人も今までのようにUSBケーブル接続で使えるのだ。ちなみに、充電池は6時間充電で最長18時間使用可能とのこと。しかし、ファンクションディスプレイ点灯時は、使用時間が8時間になってしまうらしく、実際に使ってみると、充電時間は長く、使用時間が短いという印象もある。USBケーブルを使っての充電では、ある程度仕方ないことである。使用していない時間は、なるべく充電しておく、という使い方が最適だろう。

ワイヤレスの距離は?

ワイヤレスが対応しているのは、Bluetooth 1.2以上を内蔵しているDOS/V機、NEC PC98-NXと、PowerPC G4以上。あるいはIntelプロセッサを搭載したMacintosh。タブレットを10mくらい離しても反応するので、モニタが見える範囲ならどこでも使えるといった感じだ。ちょっと離れたコタツに入りながらでも、床に寝そべりながらでも描くことができるというわけだ。

ワイヤレスの設定は?

Macintoshの場合、コンピュータのシステム環境設定で、Bluetoothへの接続設定をして同じくシステム環境設定の「ワコムタブレット」で細かい設定を行なう。「タブレットについて」で現在のタブレットの状態(充電のパーセンテージなど)を見ることができる。また、「マッピング」ではモニタのどの部分をタブレットに割り当てるかが設定でき、タブレットを縦にして使えるように設定することもできる。今回のワイヤレス化が活かせる機能だ。そして、いままでのIntuos4と同様に、ペン先の感触やファンクションキー、タッチホイール、ラジアルメニューなどのカスタマイズも行なえる。よく使う機能を上手に設定すれば、絵を描く時にマウスはもちろん、キーボードも使わなくて済みそうだ。

マッピングで縦使いに設定する

価格は?

Intuos4 Wirelessは、ワコムストア価格で、3万9,800円。Intuos4の3万2,800円と比較すると少し高くなっている。ワイヤレス機能が搭載された分の差としては妥当な価格設定といえるだろう。また、今後は普通モデルとワイヤレスモデルを並行して販売していく予定とのことなので、有線派の人も安心して欲しい。