スタンダード&プアーズ(S&P)は3日、アメリカン・ライフ・インシュアランス(アリコ)の保険財務力格付けと長期カウンターパーティ格付けを、方向性不確定での「クレジット・ウォッチ」に指定した。アリコの日本支店であるアリコジャパンの保険財務力格付けも同様に指定した。

「クレジット・ウォッチ」指定は、米生保メットライフがアリコの買収に向けて交渉中と発表したことを受けたもの。

アメリカン・インターナショナル・グループ・インク(AIG)の長期カウンターパーティ格付け「シングルAマイナス」は、政府支援要因を反映して、同社自身の信用力評価(スタンドアローン評価)「ダブルBマイナス」から、6ノッチ(段階)引き上げられている。S&Pでは、「同格付けは買収契約が締結されても影響を受けない」とみている。

アリコが売却されたとしても、AIGの保険事業全体の財務力が変わる可能性は低いため、AIG傘下の保険事業会社の格付けに影響は及ばない。

S&Pでは、メットライフによるアリコの買収が完了した時点で「クレジット・ウォッチ」を解除する予定。