Mozillaは28日(米国時間)、"Fennec"というコードネームで開発してきたモバイルデバイス用Webブラウザ「Firefox for Mobile」のバージョン1.0をリリースした。対応デバイスはMaemo 5を搭載したNokiaの「N900」。「N810/ N800」でも動作するが、Mozillaは同機種での利用を推奨していない。なおモバイル用FirefoxはMaemo版のほか、Windows Mobile版(Alpha 3)、Android版(未公開)の開発が進められている。

Firefox for Mobileは、デスクトップ用のFirefox 3.6と同じブラウザエンジンを搭載。JavaScriptエンジンにTraceMonkeyを使用している。デスクトップ用と遜色ない基本性能を備えながら、ディスプレイが小さいモバイルデバイスで効率的にWebブラウジングできるように設計されているのが特徴だ。

ブラウザ画面はシンプルで、Webページ表示画面の上にAwesome Bar(スマートロケーション・バー)、左にタブ・バー、右にコントロール・バーが配置されている。Webページにアクセスすると、これらのバーが自動的にしまわれて画面全体をWebページの表示に使える。タブの切り替えやブラウジング操作を行うには、画面を指で左右にスワイプするとバーが現れる。Awesome Barでは、タイピングに従って最近訪れたページや頻繁に訪れるページ、ブックマークされているページなどがメイン画面にリストされる。少ないタイピングでURLを入力でき、Google / Yahoo! / Wikipediaに対応するマルチサーチエンジン機能を利用できる。

画面を右にスワイプすると現れるタブ・バー。すばやいタブの切り替えが可能。上部にAwesome Bar

画面を左にスワイプすると現れるコントロール・バー

Mozillaは同日に、複数のFirefox間で各種ユーザーデータを同期する拡張機能「Weave Sync」のバージョン1.0も公開した。モバイル用Firefoxにも対応しており、バージョン3.5以上のデスクトップ用Firefox (Windows/ Mac/ Linux)との間で、履歴、ブックマーク、パスワード、設定などを同期できる。

またモバイル用Firefoxはモバイルブラウザで初めてアドオンによる機能拡張をサポートする。AdBlock Plus、URL Fixer、TwitterBar、language translatorsなど、すでに40以上のモバイル用アドオンが配信されている。

このほかパスワードマネージャー、ポップアップ・ブロッカー、ダウンロードマネージャー、自動アップデートなどの機能を装備。Location-Aware Browsing、さらにオフライン・ブラウジング、SVGおよびCanvasなどHTML5世代の技術をサポートする。