経済産業省は29日、12月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(05年=100)は89.9(季節調整済み)で、前月比で2.2%の上昇となった。前月を上回るのは10カ月連続。生産、出荷が上昇、在庫は横ばい、在庫率は低下した。基調判断は「持ち直しの動きで推移している」のまま。
生産指数の前年同月比は5.3%のプラス。前年同月比でプラスとなるのは2008年9月以来15カ月ぶり。昨年2月にはマイナス38.4%と過去最大の落ち込みとなったがその後は改善が続いていた。上昇への寄与度が高かったのは業種別では、電子部品・デバイス工業、一般機械工業、その他工業など。品目別では、電子・電動玩具、分析機器、反応用機器の順に上昇に寄与した。
出荷指数は前月比プラス1.1%の90.6(前年同月比は5.4%上昇)でこちらも10カ月連続の上昇。前年同月比プラスは08年7月以来17か月ぶりとなる。上昇に寄与した業種は、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、化学工業(医薬品を除く)などだった。一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月と同水準の93.7で、前年同月比は14.6%の低下。在庫の上昇に寄与した業種は、情報通信機械工業、電子部品・デバイス工業、精密機械工業など、低下に寄与した業種は金属製品工業、化学工業、一般機械工業などだった。在庫率指数は107.9で前月比4.7%の低下(前年同月比は18.3%の低下)だった。
同時に発表した製造工業生産予測調査では、1月は前月比1.3%の上昇、2月は0.3%の上昇を予想している。
※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値