1月27日の『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』のDVD&ブルーレイディスクの発売に合わせた記念イベントが、東京・お台場のヴィーナスフォート、メモリアルステージにて開催された。
同イベントでは、ハリウッドのマダム・タッソー・ミュージアムからやってきた「マイケル・ジャクソン等身大フィギュア」の除幕式が行われ、映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』に出演し話題となっている女性ギタリスト、オリアンティがスペシャルゲストとして登場した。イベントの様子を等身大フィギュアに関する秘話を含めてお届けする。
MJフィギュアに、オリアンティ「リアル過ぎてとても……」
大ヒットを記録した映画『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』は、マイケル・ジャクソン最後のリハーサル映像とビハインドシーンを映画化したもので、全世界108カ国で公開された。日本では2009年10月28日の公開後、1月25日付で累計興行収入51.7億円、観客動員数413万人を記録した。
本映画のDVD&ブルーレイディスクの発売を記念したイベント「マイケル・ジャクソン THIS IS IT in ヴィーナスフォート」では、マイケルの等身大フィギュアをお披露目。東京・お台場ヴィーナスフォート内の特設"メモリアルステージ"にて期間限定(1月27日~2月7日)で行われている。
除幕式では、映画に登場する女性ギタリストのオリアンティが、ギター「MJ」を手にして登場、「ブラック・オア・ホワイト」を演奏した。オリアンティはオーストラリア・アデレード出身の25歳。2009年のグラミー賞受賞式でのキャリー・アンダーウッドとのパフォーマンスを観たマイケルが彼女に連絡をとり、ロンドンのO2アリーナで予定されていたコンサートでリード・ギターを務めて欲しいとオファーしたという。
実は、本イベントの開始前にちょっとしたハプニングがあった。というのも、マイケルのフィギュアを見たオリアンティから、「フィギュアがあまりにも精巧にできているので、少し距離をおいて演奏したい。エモーショナルになってしまうので」とのリクエストがあった。当初予定されていたフィギュアの真横での演奏と、ツーショットの撮影は中止となった。マイケルの死の直前まですぐ傍で一緒にリハを行い、キング・オブ・ポップ直々の指導を受けていた彼女としては、無理もない話だろう。
マイケルと離れての演奏ではあったが、ステージでのオリアンティは、映画同様にかっこよく、ギター演奏後のMCとのトークでは明るく質問に答えていた。オリアンティとMCとの一問一答は次のとおりだ。
Q:そのギターは何か特別なのですか。
これは、マイケルの「THIS IS IT」ツアーのために作られたギターなの。マイケルもとても気に入っていました。私は、どのギターにも名前をつけているのだけれど、これはもちろん「MJ」ってつけたわ。この装飾には、スワロフスキーのクリスタルが使われています。
Q:マイケルとの印象的なエピソードは?
「もっと高く! もっと高く!」と言われたあの場面が収録されているとは知らなくて、あとで、「あ、撮られていたの?」と知ったの。彼の声がもともと高いので、はたして、ギターでそこまで行けるのかしら? と思いながらやっていた。とても印象に残っています。
Q:マイケルから学んだことは?
全力を尽くすということ。マイケル自身がそういう人だったので、彼を目にしながらさらにそれを学んだと思う。あとはとにかく楽しんでやれということも言われ続けた。あの2、3カ月間のリハーサルの経験の中で、自分は確実にステップアップできたと強く感じています。それが今後に活かされると思う。
Q:映画のお勧めシーンは?
マイケルのすべてが詰まった映画なので、どれもがハイライトシーン。3カ月、常にカメラが回っていたし、マイケルはリハーサルの場にほとんどいました。その様子を見て、彼がどれほどツアーに対して思い入れを持っていたかを、強く感じ取ってもらえると思います。
「あまりにリアルで近づくとエモーショナルになってしまう」と、マイケルフィギュアから少し離れての演奏とトーク。「もっと! このソロパートは君が主役になる瞬間だ。もっと高く!高く!」というマイケルとのやりとりが、オリアンティ自身も印象深く残っているという |
ファンに近寄り、ギターピックを投げる。来日4日目ですでに50本近くの取材を受けているというオリアンティは、ギタリスト&シンガーソングライター。1月27日付で最新ソロアルバム『ビリーブ(ユニバーサルインターナショナル)』を発売する |
マイケル等身大フィギュアはどうやって作られた?
マダム・タッソー・ミュージアムより初来日となるマイケル・ジャクソン等身大フィギュア。身長177cm、体重32kg(実際のMJの体重とは異なる)、ロンドンのO2アリーナで開催予定であった「THIS IS IT」のポスターをモデルに、約3カ月を掛けて制作されたものだ。同フィギュアは世界に2体存在し、今回来日のものは通常ハリウッドのミュージアムに、もう一体はロンドンのマダム・タッソー・ミュージアムに展示されている。
本人は対面することのなかった"THIS IS IT版フィギュア"だが、制作はマイケル生前より計画されていた。サイズは、1989年に採寸したものを元にしており、約20名の制作スタッフと、30万ドル(約2,700万円)の制作費が掛かったという。
マダム・タッソー・ミュージアムの大ファンだったというマイケルは、1985年、1989年、2002年の別バージョンのフィギュア制作の際には、自らポーズをとっている。1989年の"BAD版"お披露目の際には、マイケル本人も登場しロンドン中が騒然となった。また、マイケルは、世界各国に存在する同ミュージアムを訪問しており、2002年、ラスベガスを訪問の際には、フィギュアが着ていたジャケットを気に入り、自分が着ていたジャケットと交換してしまったという秘話もある。
本拠地をロンドンに置くマダム・タッソー・ミュージアムは、マドンナ、タイガー・ウッズ、ブラッド・ピットらをはじめ、世界中の著名人、政治家、スポーツ選手などがモデルのフィギュアを展示している。1835年の設立以来、5億人が来館する蝋人形ミュージアムの老舗だ。
ロンドンのマダム・タッソー・スタジオでは毎年40~50体のフィギュアが作られ、世界9カ所にある各館に運ばれる。なお、同スタジオでのフィギュア制作は、基本的に設立当時と変わらない手法をとっているのだそうだ。
フィギュアの制作にあたっては、モデルとなる人物の了承を得た後、2~3時間をかけてスタジオで計測を行う。ロンドンまで来られない場合は、彫刻家が世界中のどこへでも計測に出向く。スタジオでの計測では、髪の毛、目、肌は専門スタッフが行い、手や歯型をとることもある。この時にポーズや表情、イメージなどは計測時に彫刻家と相談しながら行われていく。また、制作スタッフは、この計測のほかに報道で使われた写真やビデオ等を観て印象を記憶するという。
フィギュア一体につき、500カ所以上もの測定がなされるとのことだが、そのほかにも頭からつま先まで、あらゆるアングルから異なるレンズや照明を使い180枚程の撮影を行う。
マイケル・ジャクソンのフィギュアは、BAD版など別バージョンのものを含め、これまでに合計で13体作られているが、これは同ミュージアムで2番目に多い数となる。トップはエリザベス女王2世の22体となっている。
『マイケル・ジャクソン THIS IS IT』
1月27日(水)リリース■デラックス・コレクターズ・エディション(DVD2枚組):3,990円(税込) / コレクターズ・エディション(DVD1枚組):2,980円(税込) / ブルーレイ特製ブックレット付:4,980円(税込)■発売・販売:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント