百貨店、スーパー、コンビニエンスストアの2009年の年間売上高が出そろった。6月まで続いたtaspo効果でコンビニが全店ベースで前年比0.6%増とかろうじて売上を伸ばしたものの、百貨店は前年比10.1%減(既存店ベース)、スーパーも同4.3%減(同)と大幅に落ち込んだ。百貨店売上の減少率は過去最大。

販売不振がもっとも深刻なのは百貨店。日本百貨店協会が22日発表した09年の年間売上高は6兆5,842億円で、1985年以来24年ぶりの7兆円割れとなった。前年割れは12年連続となる。同時に発表された12月の売上高は前年比5.0%減の7,420億円。22カ月連続の前年同月比マイナスとなるが、5%以下の減少幅は、2008年9月以来15カ月ぶりで、同協会では「円高の一服感や株価の上昇傾向など景気の先行きに対する不安要素の一部が和らいだことから、消費マインドにも若干の明るさが見られた」と分析している。

消費低迷はスーパー売上にも深刻な影響を与えている。09年の売上高は12兆8,349億円で、1988年以来21年ぶりの13兆円割れ。前年割れは13年連続。同協会は「景気の後退に伴う生活者の可処分所得減・先行き不安による節約志向から単価ダウンとなり、チェーンストアの店頭ではさまざまな販売促進策を講じたものの、売上は総じて厳しい状況だった」と分析。品目別でもっとも落ち込みがはげしかったのは、値引き合戦が激化した「衣料品」で10.8%減(既存店ベース)。「食料品」は2.6%減、「住関品」は4.8%減だった。12月の売上は前年比5.0%減の1億2,465億円。品目別では「食料品」が5.4%減、「住関品」が5.0%減、「衣料品」が2.2%減だった。

コンビニもやはり厳しい状況だ。年間売上高は7兆9,043億円でかろうじて0.6%のプラスとなったものの、taspo効果が一巡した7月以降はすべての月で前年割れとなっている。 来店客数(既存店ベース)は127億5,301万人で前年比0.5%増、客単価は、572.8円で前年比2.5%減だった。12月の売上高は前年同月比5.5%減の6,290億円で、7カ月連続の前年割れ。「景気低迷による消費マインドの低下とtaspoの反動が大きく影響を与えている」としている。