食費節約をテーマに、たくさんの主婦の皆さんを取材していて、最近、気づいたことのひとつに、圧力鍋の利用者が多いということがあげられます。そうです、圧力鍋は食費節約達人の必須アイテムになりつつあります。

「圧力鍋」と聞いて、「爆発しそうで怖い」とか「使い慣れていないから、面倒くさそう」と思う人も多いはず。"おうちごはん"を始めたばかりの人にとっては、ハードルが高いかもしれませんが、実際に使ってみると、意外と簡単。もちろん、爆発したり、鍋のふたが飛んだりなんてしません。

圧力鍋のメリットは……

  1. パサついたり、固い肉が柔らかくなる。
  2. 調理時間が通常の4分の1から半分で済む。
  3. 調理時間が短縮することで栄養価が損なわれない。
  4. 焦げ付きやふきこぼれがない。
  5. 調理時間をタイマーでセットすれば、あとは放ったらかしでOK。

安い鶏胸肉がジューシーに仕上がり、固いかたまり肉や牛すじ肉がお箸でほぐせるくらいにトロトロに調理できます。また、調理時間が短いので、仕事から帰って、一刻も早くご飯にしたいときにも重宝。調理時間が短いので、結果的に、ガス代の節約にもなります。説明書の書いてある調理時間を守れば、焦げ付きやふきこぼれといった失敗もありません。タイマーが鳴るまで、他の用事を済ませることができるのも嬉しいところです。

密閉して加熱することで沸点が100度以上になる仕組みを利用

このようなメリットが可能になる仕組みは? というと、普通の鍋の場合、どんなに強火で調理しても、水の沸点である100度以上の高温になることはありません。ところが、圧力鍋の場合には、密閉して加熱することで内部の圧力が上昇し、沸点が100度以上になります。その結果、通常よりも高温で調理することができ、素材を柔らかくしたり、短時間で調理することが可能になるというわけです。

こんなに便利な圧力鍋ですが、初めての人が使用をためらう一番の理由が、使い方が難しいのでは? という先入観。基本的な手順さえおさえれば、決して難しいものではありません。

  1. 鍋に材料を入れ、説明書に書いてある通りにふたを密閉する。
  2. 最初は必ず強火にかける。
  3. 内部の水分が沸騰すると圧力がかかり、ふたについているオモリが動き出す。ここからが「加圧」のスタート。
  4. 弱火にして、レシピごとの「加圧時間」で調理する。
  5. 加圧時間が終わったら、火を止めて、冷めるまで放置する。

どんなレシピも、この手順で失敗なしです。

さて、気になる圧力鍋のお値段ですが、ホームセンターの特売品の2,000円台のものから、ブランド品になると数万円するものまであります。ネットショップでは5,000円くらいで良質のものを購入可。有名ブランドにはティファール、フィスラーなどがあり、故障したときのメンテナンスサービスがついています。

圧力鍋を利用して、「豚の角煮」に挑戦!

さて、圧力鍋を手にしたら、なにはともあれ挑戦したいのが豚の角煮。早速、作ってみました。

■作り方

  1. 圧力鍋に豚バラかたまり肉400g、ねぎの青い部分1本分、スライスしたしょうが1かけ(親指の先くらいの大きさ)を入れ、材料がかぶるくらいの水を入れる。しっかりふたをセットして、強火にかける。
  2. ふたのオモリが動き出したら、弱火にして20分加圧する。加圧時間が終わったら、そのまま冷めるまで放置。
  3. 豚肉を取り出し、灰汁や余分な油を取り、食べやすい大きさに切る。
  4. 圧力鍋に豚肉、大根、ゆで卵、煮汁1カップ、砂糖、酒、しょうゆ各大さじ3を入れ、強火にかける。
  5. オモリが動き出したら、弱火にして、20分加圧する。加圧時間が終わったら、そのまま冷めるまで放置。
  6. 冷めると、白い油のかたまりが出るので、スプーンで取り除き、食べる直前に、ふたをあけたまま温める。

圧力鍋に豚バラかたまり肉、ねぎの青い部分、スライスしたしょうがを入れ、材料がかぶるくらいの水を入れる。しっかりふたをセットして、強火にかける

ふたのオモリが動き出したら、弱火にして20分加圧する。加圧時間が終わったら、そのまま冷めるまで放置

圧力鍋に豚肉、大根、ゆで卵、煮汁、砂糖、酒、しょうゆを入れ、強火にかける

食べる直前に、ふたをあけたまま温めて完成

初挑戦の圧力鍋で作った豚の角煮は、豚バラ肉がこれまでにない、とろけるような柔らかさ。大根も味がしみて、最高に美味。安いお肉を短時間でおいしく仕上げる圧力鍋は、やっぱり"おうちごはん"で節約派の味方でした。

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