60kWモータ&インバータによるドライブシミュレータ
安川電機のブースでは、同社が独自に開発した1台のモータで低速モータと高速モータの2つの特性を併せ持つことが可能な技術「QMET(Qualified Magneto-Electronic Transmisson)ドライブ」を採用した60kWモータと同インバータを組み合わせたQMETドライブシミュレータを前面に展示している。
同ドライブシミュレータは、実際に運転席に座って実際に操作することが可能。QMETにより、トルク変動のない低速から高速までスムーズな加速を体験することができる。
同社ではQMETドライブ技術実現のために、独自の電子式巻線切替技術によるモータの最適制御を図ったほか、IPM(Interior Permanent Magnet)モーターをベースにクルマ用として、モーターの磁石配置の最適化を実施、回転方向(正転)のモータ効率を回転速度にもよるが条件次第ではインバータ効率も含めて94%以上を実現したという。
EVに特化したDC/DCコンバータとコンデンサ
ニチコンブースでは、i-MiEV向けのEV用充電器一体型DC/DCコンバータ(DDC)やプラグインステラ向けのEV用DDCといったDDCのほか、HEV用アルミ電解コンデンサや電気二重層コンデンサ「EVer CAP」、HEV用フィルムコンデンサなど各種コンデンサが展示されている。
充電器一体型DDCは、入力電圧AC100-265Vで出力電力が2.6kW(最大)。効率は最大88%で、水冷による冷却方式を採用している。充電器を内蔵することで、他のスペースの確保が容易になるが、自動車メーカーからの要求は厳しく、今後はさらなる小型、軽量化を目指していくとのこと。
また、電気二重層コンデンサは活性炭電極と電解液との界面に生じる電気二重層を誘電体として使用するデバイスで電気二重層キャパシタ(EDLC)とも称される。電極は、活性炭、バインダ、集電電極となるアルミ箔などから構成され、活性炭の原材料が製品特性に与える影響が大きいため、同社ではEVer CAP向けに活性炭を薄く、広く、安定した厚みでアルミ箔上に電極を形成する技術や新規バインダの採用、アルミ電解コンデンサで培った製造技術などを取り入れることで、電気二重層電極電流密度100mA/F、2万回の急速充放電サイクル試験において、1F品を用いた実証試験にて、試験後0.8Fと容量減少が少ないことが確認されている。