政府は20日、2010年1月の月例経済報告を発表した。景気について、「持ち直してきている」との基調判断を6カ月連続で据え置いた。一方、それに続く「自律性に乏しく、失業率が高水準にあるなど依然として厳しい状況にある」との判断も4カ月連続据え置いた。
先行きについては、当面、厳しい雇用情勢が続くとみられるものの、「海外経済の改善や緊急経済対策の効果などを背景に、景気の持ち直し傾向が続くことが期待される」としている。
住宅建設については、2009年12月の報告で「おおむね横ばいとなっている」としていたのを、今回の報告では「このところ持ち直しの動きがみられる」と上方修正した。
一方、貿易・サービス収支の黒字について、2009年12月の報告では「増加している」としていたのを、今回の報告では「横ばいとなっている」としている。
これらを受けた政府の政策態度については、2009年12月報告と同様、「家計の支援により、個人消費を拡大するとともに、新たな分野で産業と雇用を生み出し、日本経済を自律的な回復軌道に乗せ、内需を中心とした安定的な経済成長を実現するよう政策運営を行う」としている。
このため政府では、「緊急雇用対策」及び「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を推進することとし、2009年度第2次補正予算を国会に提出。また、2009年12月25日、「平成22年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議了解し、12月30日には、「新成長戦略(基本方針)~輝きのある日本へ~」を閣議決定している。