NECは、個人向けPC 2010年春モデルの発表会を開催。スタイリッシュノート「LaVie L」、モバイルモデル「LaVie M」「LaVie Light」、省スペース一体型「VALUESTARE N」、一体型AVパソコン「VALUESTAR W」など7タイプ56モデルを発表した。販売目標は昨春と同等の月間120,000台。
会場では、NECパーソナルプロダクツ 商品企画開発本部 本部長代理 渡邉敏博氏が2010年春モデルの概要を説明。Windows 7登場以来、前年同期比2桁以上、直近でも前年同期比106%と市場が伸びているPC。今回、このWindows 7対応PCの第2弾を投入し、NECとして経済環境が厳しい中でも前年同期比100%以上を目指すとした。
2010年春モデルのテーマは「安心・快適」を基本としてさらに進化したフレッシャーズ向けPC。ポイントとして、最新テクノロジーの搭載、2台目PCとしての利便性向上、TV需要の取り込みの3点となっている。最新テクノロジーではノート「LaVie L」を挙げ、最新CPUを搭載するだけでなくUSB 3.0搭載モデルや64bit OS対応モデルを投入。デザインも一新した。
ポイントは新テクノロジーの搭載、2台目PCとしての使いやすさの追求、TV需要の取り込みの3点 |
最新テクノロジーの採用では、Intel Core i5などの最新CPUの採用、USB 3.0の搭載、Windows 7の64bit版への対応などを挙げた |
2台目需要としてはモバイルPC「LaVie Light」「LaVie M」を挙げ、1台目PCと2台目PC間でデータの同期が簡単にできる「USB Duet」など使いやすさを追求した。TV需要の取り込みでは、デスクトップ「VALUESTAR N」「VALUESTAR W」を挙げて、TV機能を強化するだけでなく、さらなる省スペース化も果たしているとした。
会場内に展示していたUSB 3.0対応コントローラ。USB 2.0×5ポートが利用可能で、そのうち2ポートがUSB 3.0と共用にできる。このため、今回発表されていたUSB 3.0対応PCはUSB 3.0が2ポートとなっていた |
「LaVie L」シリーズ
続いて新製品の紹介が行われた。まずは、デザインを一新した「LaVie L」から。「LL870/WG」「LL/850/WG」「LL750/WG」「LL650/WG」では、Intel Core i5-430Mを搭載。「LL700/WG」「LL550/WG」「LL350/WG」「LL570/WG」はIntel Core i3-330M、廉価版の「LL150/WG」はIntel Celeron T3000を採用。
上位機種の「LL870/WG」「LL850/WG」では、最大2.5Gbps(理論値)の転送速度を持つUSB 3.0に対応した。また、「LL150/WG」を除く全モデルでWindows Home Premium 64bit版に対応している。Web直販サイト「NEC Direct」の「LaVie G タイプL」では、CPUとしてIntel i7-620M、ストレージとして約62GBのSSDが選択可能となっている。
デザイン面の強化として、「持つ喜び」を意識し、ガラスフレークとIMF(インモールドフィルム)成形により光沢感のあるなめらかな形状を実現。スライドパッドを大きくした上、スクロールボタンも搭載している。キーボードは使いやすさにこだわったテンキー付きセミグロッシーキーボード。通常のキーと[Fn]キー、テンキーの間に5.6mmのスキマを作ることで押し間違いを防ぐだけでなく、テンキーが増えても従来と同様のキーピッチ19mmを確保している。また、[Fn]キーはデスクトップと同様4つごとにスキマを用意し使いやすさを向上させたとした。
「LaVie M」「LaVie Light」
モバイルPC「LaVie M」は「LM550/WG」「LM530/WH」の2モデルを(2009年10月発表の「LM330/VH」は継続発売)、Netbook「LaVie Light」は「BL530/WH」「BL350/WD」「BL330/WA」「BL130/WA」の4モデルのほかLuiモデル「BR340/WA」を発売。
2台目PCとしての使いやすさを追求し、メインPCとUSBケーブルで接続するだけでデータの受け渡しができる「USB Duet」と、BIGLOBEのオンラインストレージサービスを利用したデータ同期サービス「FlyFolder」に対応。
2台目PCに最適な機能のひとつが「USB Duet」。メインPCと2台目PCをUSBで接続するだけで、お互いの共有フォルダをリムーバブルディスク感覚で利用できる |
2台目PCに最適な機能のふたつめが「FlyFolder」。BIGLOBEのオンラインストレージを利用し、メインPCとモバイルPCのデータを自動的に同期できる |
デザインでは「LaVie Light」が全体的に薄く見えるラウンドフォルムとなるほか、新色フレッシュライムを含む全5色のカラーバリエーションとなった。スライドパッドも従来比約1.7倍と大きくなり、ジェスチャー機能も使いやすくした。
2台目PCとしての使い勝手が向上したネットブック「LaVie Light」。薄さが感じられるように丸みを帯びたデザインとなった |
「LaVie Light」の新色として登場したフレッシュライム。携帯電話でライム系の色の需要が高かったためPCでも展開 |
薄く見えるようなデザイン面での特徴のほか、スライドパッドを従来比1.7倍と大きくするなど使いやすさも追求している |
「LaVie M」も「LaVie Light」同様に2台目PCとしての使い勝手を追求している |
「VALUESTAR N」「VALUESTAR W」
液晶一体型デスクトップ「VALUESTAR N」では「VN770/VG」「VN550/WG」の2モデル、また「VALUESTAR W」では「VW970/WG」「VW770/WG」「VW670/WG」の3モデルをラインアップ。
「VALUESTAR N」は薄型・省スペース化をさらに進め、「VALUESTAR W」は映像とサウンドを追求している |
「VALUESTAR N」はA4ノートを超える省スペース性とデスクトップPCの使いやすさの提供というコンセプトを継承 |
「VALUESTAR N」はA4ノートを超える省スペース性とデスクトップPCの使いやすさの提供というコンセプトのもと、さらなる省スペース化を促進。本体の薄さを従来の約9cmから6cmへと33パーセント削減し、設置時の奥行きも最小傾斜時(10度チルト時)に約16.9cmと従来比約2.6cm短縮させた。このほか、ディスプレイのワイド感を出す狭額縁デザインを持ち、スピーカー部の金属メッシュはエッジング処理により穴を小さくしたうえで、ピッチを変えてグラデーションを表現した。
「VALUESTAR W」は、前モデル同様に地デジTVチューナーを備えるほか、新たに光「ひかりTVサービス」に対応するなどAV性能をアップさせた。液晶下に3W×2のスピーカーを備えるほか、液晶背面に6Wのウーファ(SR-Bass方式搭載)を搭載。内蔵スピーカーによる2.1chステレオを実現している。基本性能では、「VW970/WG」「VW770/WG」はCore i5-650を搭載するほか、「VW970/WG」はUSB 3.0に対応した。
映像、サウンド機能を追及した一体型「VALUESTAR W」 |
会場では「VALUESTAR W」の音質のデモを実施。液晶を支えるアーム部分に入っている「SR-Bass」方式のウーファと、ほかのタイプのウーファとの差を聞かせていた |
TVモデルの新機能
TVモデル(「LaVie L」「VALUESTAR W」「VALUESTAR N」「VALUESTAR E」)の新機能として、「Webサイト検索」機能を追加。電子番組表や録画番組一覧の情報から番組名や出演者名を抽出し、その番組のサイトや出演者のプロフィールを探しやすくしている(サーチエンジンはBIGLOBEを使用)。BS/110度CSなら約6倍、地デジなら約4倍の長時間録画、録画容量を外付けHDDで増設、録画番組の簡易(カット)編集、ワンセグケータイ用に放送を録画時に圧縮する「外でもVIDEO」などの機能を採用。「LL870/WG」「LL570/WG」は、無線LAN(IEEE802.11nabg)を使ってデジタル放送の視聴・録画が可能な「ワイヤレスTVデジタル」に対応している。