フジテレビ"ノイタミナ"ほかにて2009年4月~6月に放送された『東のエデン』。現在『東のエデン劇場版I The King of Eden』が全国で上映中となっており、2010年3月からはいよいよ『東のエデン劇場版II Paradise Lost』が公開される。

1月9日(土)には、AR(Augmented Reality 拡張現実)技術を使って、誰でも気軽に楽しめる様々な作品を発表しているユニット「AR三兄弟」を招き、"東のエデンシステム"を劇場のスクリーンで楽しむ「AR舞台挨拶」を実施。今回は、神山健治監督、滝沢朗役の木村良平に加え、凄腕ニートとして人気のキャラクター、"パンツ"こと板津豊を演じる檜山修之が初登壇した

業界初のAR舞台挨拶が行われた

司会進行を務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサーの呼び込みのもと、まずは神山健治監督と滝沢朗役の木村良平、パンツこと板津豊役の檜山修之が登場。神山監督からは、公開から1カ月以上経った今もたくさんの人が集まってくれたことへの感謝の言葉が述べられた。ゲストからの簡単な挨拶の後、本日のメインイベントなる「AR舞台挨拶」がスタートする。作品世界は2011年を舞台とし、神山監督自身、「これはあってもおかしくはないんじゃないか」というものがたくさん作品の中に取り入れており、その中でも、今回実際に公開された"東のエデンシステム"は、「制作をスタートした当初は限りなく絵空事に近かったんです。携帯のカメラからあくまでこんなことができたらいいなという発想だったんですけれども、すでにiPhoneのアプリで『セカイカメラ』というのがあるんですよね。そういったものが実際にできあがってきているんですよ」と神山監督は語る。

その後、劇場のスクリーンに、実際に"東のエデンシステム"を開発したという「AR三兄弟」が映し出される。AR三兄弟の解説により、今回の"東のエデンシステム"が語られ、実際に映し出される映像に出演者や観客からは歓声の声があがる。会場では携帯の使用OKということもあり、入り口で配られたARフライヤーのQRコードから携帯版にアクセスする観客も多く、会場から送った神山監督のコメントが他の人のコメントに流されてスクリーンに現れないという一幕も。予想外のハプニングに、劇中ではエデンシステムの監修を手がけノブレス携帯の解析もしてしまう天才・板津豊を演じる檜山は「凄いね。このスピードが」とリアルタイムで常に更新されるシステムを改めて実感していた。また、滝沢から板津へ、板津から滝沢へと、演じる役者からそれぞれ"東のエデンシステム"を使って、コメントを送るといったことも行われた。

さらに、AR三兄弟からは追加機能として、ARフライヤーを"東のエデンシステム"にかざすことで、『東のエデン 劇場版I The King of Eden』のOP映像を楽しめることが解説されると、こちらも実際に会場で体験が行われ、大きな拍手とともに驚きの声もあがっていた。この機能に木村も「今回のことは何も伺っていない状態で体験させてもらったのですが、最初の"東のエデンシステム"もすごいし、追加機能も映像が出てくることは事前に聞いていたのですが、チラシを動かしてもきちんと見られるのはすごいですね。感動しました」と感想を述べた。

AR三兄弟からは「今回のシステムを作るにあたっては、映画が公開された頃に、監督と初めてお会いしちょこっと話をさせていただきました。『こういうことを考えているんですけどあってますか?』と確認させてもらったぐらいで、アニメの制作段階から関わっていたという訳ではないんです。なんで、TVシリーズで最初に観たときは、もう完全に僕らと同じことをやってるなって思って。今回のシステムは『東のエデン』の物語世界でひな形ができていたので、僕たちは設計図のようにこの作品をみて、そのまま作ればいいなっていう感じでした。監督が『東のエデン』で描かれていたARの設定は、未来を見越していたとしか思えないような凄く正しいもので、素晴らしいと思いました」とコメントした。

また、1月9日からは劇場版の本編上映後に『東のエデン劇場版II Paradise Lost』の予告映像が公開されることが告げられた。待ちに待っていた観客からは盛大な拍手があり、公開への期待感が伺われた。なお、初公開された予告編映像には、『東のエデン劇場版II Paradise Lost』のオープニング・テーマとなるschool food punishmentの新曲「future nova」が流れており、こちらも、9日の上映からの初お披露目となった。

最後に、檜山から「未来の科学技術の作品に携わることがあるんですけども、遠い世界のことだと思っていたことが、随分、現実が早足で追いついてきているだなと。なんとなくは感じていたんですけども、『東のエデン』という作品と今回のARを体験したことで、より感じることになりました。アニメーションが絵空事ではなく、現実の一歩先を行く作品であることを改めて再認識しました。本編の方ですが、板津は僕と違ってコンピューターを把握している凄腕のハッカーで、今回の劇場も解説役として大活躍しています。声優、檜山修之としても滑舌能力をフルに使って頑張りました。『劇場版II』の方も面白くなっていますので、それを期待していただく感じで第一弾をお楽しみください」。木村から、「『劇場版II』の見どころはジュイス。面白いことになっています」というメッセージが送られた。



画像認識エンジンによってカメラをかざすだけで人物などの映し出された画像を認識し、その画像に文字などを書き込む(レイヤーを貼り付ける)ことができる画期的なサイト「東のエデンシステム」は、吉祥寺PARCOで開催されている「東のエデン プレミアムショップ」にて開催期間中であればいつでも体験することができるので、こちらもチェックしておきたい。

現在公開中の『東のエデン 劇場版I The King of Eden』に続き、2010年3月より『東のエデン 劇場版II Paradise Lost』が、テアトル新宿、テアトルダイヤ、ユナイテッド・シネマ豊洲ほかにて全国順次ロードショー。配給はアスミックエース。