内閣府は8日、11月の景気動向指数(速報)を発表した。速報によると現在の景気とほぼ一致して動く「一致指数」は95.9で、前月比1.6ポイントの上昇。景気に先行して動く「先行指数」は、前月から1.8ポイント上昇の91.2だった。内閣府は景気の基調判断を10月と同じ「改善を示している」とした。
景気動向指数は、景気の現状把握や将来予測に資するために作成された総合的な景気指標。景気変動の大きさなどを測定するCI(コンポジット・インデックス)と、景気転換点の判定に用いるDI(ディフュージョン・インデックス)がある。内閣府は2008年4月分よりDI中心からCI中心の公表形態へと移行している。
一致指数は昨年3月に84.7にまで落ち込んだ後8カ月連続で上昇。11月は商業販売額(卸売業・前年同月比)が前月比で5.5ポイント、投資財出荷指数(輸送機械を除く)が前月比で4.1%それぞれ上昇するなどしたことで、全体として1.6ポイントの上昇となったが、中小企業売上高(製造業)は前月比で1.2%減と、5カ月ぶりに後退した。
景気に先行して動く「先行指数」も8カ月連続の上昇。耐久消費財出荷指数(前年同月比)が13.7ポイント、日経商品指数(同)が8.0ポイント、それぞれ前月比で上昇し指数を押し上げた。また最終需要財在庫率指数(逆サイクル※)も前月比でマイナス7.8と改善した。逆に指数を押し下げたのは、中小企業売上見通しD.T(前月比マイナス6.9ポイント)や消費者態度指数(同マイナス0.9ポイント)など。景気に対し遅れて動き、一致指数に比べ家計部門のウェイトが大きいことが特徴とされる「遅行指数」は前月比0.9ポイント減の82.8で4カ月ぶりに後退した。
※逆サイクルとは、指数の上昇、下降が景気の動きと逆になることをいう。