米ネバダ州ラスベガスにて、全米家電協会(CEA)が主催する世界最大規模のコンシューマエレクトロニクス展示会「2010 International CES」が開催される。今年の開幕は現地時間の1月7日(日本時間だと1月8日)で、会期は現地時間1月10日までの4日間。
PC/ITの新年はCESから始まる……と言っても過言では無い恒例のイベントが、間もなく開幕する。2010年のCESは出展社数がおよそ2,500社で、来場者は11万人以上を見込むなど、昨年に勝るとも劣らない巨大規模での開催となる。マイコミジャーナルでは、今年も現地からのレポート記事を随時お届けする。是非ご期待いただきたい。
なお、本来の開幕日前であっても現地では、CES公式プレイベントや、出展メーカーの独自イベント、MicrosoftのCEO, Steve Ballmer氏が登場する開幕前夜祭な基調講演など、各種豊富に催されることもCESの特徴だ。例えば開幕前々日となる本日は、毎年恒例の出展製品の先行お披露目イベント「CES Unveiled」などが開催されている。これらの模様はこの後のレポート記事で詳しく紹介する予定なので、もう少々お待ちいただきたい。
主催団体トップが語る今年の注目ポイント
開幕に先立ち、CESの主催団体であるCEAのPresident and CEO、Gary Shapiro氏に、今年のCESの"見所"を伺っている。Shapiro氏はまず、今年はこれまでにない「もっともエキサイトなCESになる」と太鼓判を押していた。ちなみに同氏によれば、今年のCESにおける各社の製品発表件数は、歴代最大になるとのことだ。
そんな同氏が推す今年のトレンドだが、ひとつは3D映像を楽しめる3DTV。日本国内のPCユーザーの視点だと、NVIDIAの「NVIDIA 3D Vision」あたりのシステムが身近なところだろう。米国ではリアルタイムなニュースとして、スポーツ放送大手のESPNが3D放送のチャンネル解説を発表するなど、3DTVが現在進行形での盛り上がりを見せていた。CEAのリサーチによれば、2013年までに、3DTVの販売シェアは、TV全体の26%にも上る予測なのだそうだ。
そして、Netbookに代表されるミニノートや、タブレット、電子ブックリーダといった製品。これらは、コンシューマにおいてTVとスマートフォンの間を間を埋める大きなマーケットになるだろうとされた。特に電子ブックリーダは、米国の場合、電子ブックリーダによってユーザーの「読書への回帰」という現象も起こっているそうで、出版社もコンテンツ提供にはおおむね積極的。今後も大きな伸び代が予測されているのだとか。
さて、世界中で不況が叫ばれる昨今だが、「経済的につらいときに、逆にそれがイノベーションのはじまりになる。生き残るためにイノベーションへの要求が高まるからだ」(Shapiro氏)。そのイノベーションのはじまりを感じられるかに注目が集まるのが2010年のCESの位置付けだ。
そしてShapiro氏は、日本のメーカー各社が業界に与える影響力には特に期待しているそうで、日本はCE業界において依然として大きなプレゼンスを有していると説明。「今年は、何年かぶりにCESに戻ってきたメーカーも含め、ほとんどすべての日本の有力CEメーカーが集まってくれた。これは非常におもしろい展開になる」と話していた。「ただ、今回も任天堂が来てくれなかったのは残念だけどね(笑)」(Shapiro氏)。