新年、明けましておめでとうございます。FXオンラインジャパン ストラテジストの森宗一郎です。今年の正月は、トレードする側にとっては長い正月でいかがお過ごしでしたでしょうか? 私も、久しぶりにゆっくりといつもよりはマーケットのことを考えずに過ごしました。本年も、楽しくトレードを楽しみましょう!!

※週刊マーケット情報は毎週月曜日更新です。
1月4日(月)
(欧)12月ユーロ圏製造業PMI -改定値-
(米)11月建設支出
(米)12月ISM製造業景気指数
(米)ロックハート米アトランタ地区連銀総裁 討論会に参加
1月5日(火)
(欧)12月独失業率
(米)週間チェーンストア売上高
(米)ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁 討論会に参加
(米)週間レッドブック大規模小売店売上高
(米)11月耐久財受注 -改定値-
(米)11月製造業新規受注
(米)11月住宅販売保留指数
1月6日(水)
(欧)12月ユーロ圏サービス部門PMI -改定値-
(欧)10月ユーロ圏鉱工業受注
(欧)12月ユーロ圏消費者物価指数-速報値-
(米)MBA米住宅ローン・借換え申請指数
(米)12月チャレンジャー企業人員削減数
(米)12月ADP雇用報告
(米)12月ISM非製造業景気指数
(米)12月15-16日の米FOMC議事録発表
(英)BOE金融政策委員会(7日まで)
1月7日(木)
(豪)11月小売売上高
(豪)11月貿易収支
(欧)11月ユーロ圏小売売上高
(欧)11月ユーロ圏生産者物価指数
(欧)11月独鉱工業受注
(英)BOE金融政策委員会
(米)新規失業保険申請件数
(米)ホーニグ・カンザスシティー地区連銀総裁 講演
(米)ブラード・セントルイス地区連銀総裁 講演
1月8日(金)
(中)ブラード米セントルイス地区連銀総裁 講演
(日)11月景気動向指数CI -速報値-
(欧)11月独貿易収支
(欧)11月仏貿易収支
(欧)12月ユーロ圏景況感・業況感指数
(欧)第3・四半期ユーロ圏GDP -改定値-
(欧)11月ユーロ圏失業率
(欧)11月独鉱工業生産
(米)12月雇用統計
(米)11月卸売在庫
(米)ラッカー・リッチモンド地区連銀総裁 講演
(米)11月消費者信用残高

今週は、2009年末の動きが継続できるかどうかに市場の注目が集まっています。出口戦略や新興国経済に対する見通し、ソブリンリスク、などさまざまな話題があるかと思いますが、まずは今週の米経済の回復基調が出てきているのかどうか。

12月末において消費者信頼感指数においても調査によっては違いが出たり、シカゴの数値も翌日には下方修正されるなど発表内容でちぐはぐな内容になっており、さらには11~12月の雇用者数の増加(失業者数の低下)に関してはクリスマス商戦という季節的要因が背景にあるという見方もあります。その意味では、今週のISMから始まる一連の雇用関連の数値は、すべて12月の数値なので前月同様の内容であったとしてもはたして楽観的な見方になるかどうか。よほどのポジティブサプライズがなければ、米国関連銘柄の堅調地合いは継続しにくいかもしれません。

そして去年暮れからくすぶっているソブリンリスクの話題で、ユーロ圏内の話題からイギリスへの懸念と拡大し、ついに日本の財務体質にまで言及されたことで、今年は去年からの指摘懸念材料をどれだけ払しょくできるのかどうかというネガティブ視点解消=ポジティブな視点というスタートになりそうです。

この視点に関しては、株式市場においてはさらに個別銘柄選択にまで広がるのではないでしょうか? 単純に分野ごと、地域ごとという投資スタンスよりは、市場・消費者のニーズをつかんだ企業が選択される展開がまずはじまるかと思いますし、地域においても環境を無視したのでは投資資金も集まりにくい可能性があります。

また、単純に広告が多いなどのメディア戦略だけではなく、商品・サービスに対する利用者側の認知度・好感度が一つのポイントとなり、それらの情報を偏らずに伝達する媒体などが選別されるのではないでしょうか。よって、株式市場においては経済指標における話題を受けたとしても銘柄によってはその話題を吸収できるだけの企業体質になっているかどうかで反応の度合いが違ってくると思います。極端な例で見れば、航空会社ではいかがでしょうか? 原油在庫の減少を受けて原油価格が上昇していますが、コスト増に対してどのようなスタンス・回避・戦略を立ててきたかで収益力は違ってくると思いますので、それらの個別銘柄エコノミストのコメントに注目していきましょう。つまりは、次世代の経済構造において企業体質がその変化についていけるのかどうかに注目していきましょう。

そして、今週の米経済指標イベントで注目されるのはやはり消費関連ですが、実は市場では需給面において金融銘柄に関しては、やや注意しているとか。新バーゼル規制は緩和(延期? )されたものの金融機関においては引き続き自己資本を充実させるために公募をさらに拡大するのではないかと警戒しており、当局のコメントに絡んで市場全体の重しとなる可能性があります。特に欧州系金融機関の中で公的資金援助を受けている金融機関は公募を前向きに考慮しているようですが、将来の戦略をしっかりと投資家に示すことができるかどうかで反応が違ってくると思います。

今年は寅年とはいえ、まずは地固め状態の地合いになるかもしれませんが、いかがでしょうか?

一方、為替市場の方はUSDの地合いに、ユーロと日本のソブリン話題がどのような味付けをしてくれるかどうか。

長期金利の上昇とFRBの新しい資金吸収政策に絡んでUSDが年末堅調に推移してきましたが、今週は米経済の消費を支える雇用関連の話題に注目しているものの、前述したように季節要因という背景で伸び悩んでいるとしたら、USDの堅調地合い(期待度)が息切れするかもしれません。

ただ、単純にドル売りに反転するかといいますと、日本の景況感+来年度予算案に絡んだソブリンリスクに市場は警戒していますし、ユーロ圏においてもギリシャや他のユーロ構成国だけではなく、中東欧諸国における話題も依然重しとなっていることから、単純なドル売りになりにくいかもしれません。

こういった中、出口戦略において一歩先を行っているオーストラリアのイベントが木曜日にあり、資源価格堅調の地合いをしっかりと享受している内容になるかどうかに注目しておきましょう。

そして、為替において最近敏感に反応している長期金利の話題。2009年末ではさすがに買い戻し(金利低下)を見せた債券市場ですが、来週からはアメリカをはじめイギリスなど欧州各国に加え、日本も発行のスケジュールが目白押しで、その内容も今週発表されます。現状低金利とはいえ、今週の経済指標イベントの内容がポジティブな数値であれば将来的な金利上昇機運が高まりやすく、消化不良にならないのでしょうか? 今週はBOEの金融政策委員会も開かれることから、イギリスポンドの対ユーロの地合い(EURGBP)を確認しつつ、GBPをトレードしていきましょう。

また、中国が欧米の不均衡是正に絡んで人民元に対して圧力をかけていることに対し真っ向から抵抗しているものの、中国国内における過剰流動性に対する警戒感もあり、彼らとしてもかじ取りが微妙です。意外にも人民元高をある程度容認する姿勢(コメントは別)を米ドルの影響というスタンスで黙認? となれば、はたして日本円はどうなるか。

日々、地合いがそれぞれの銘柄・通貨によって変化しやすいと思いますので、前日の戦略に固執しすぎないように心がけていきましょう。