東京証券取引所グループは4日、一年最初の取引日に行われるイベント「大発会」を開催した。大発会では、一年の取引開始を祝って鐘を打つ「打鐘(だしょう)」が行われたほか、東京証券取引所の次世代システム「arrowhead」(アローヘッド)の稼動記念セレモニーも行われた。

大発会は、一年の最初の取引日に証券取引所で行われるイベントを表すほか、一年最初の取引日そのものを指すこともある。

大発会であいさつをする、東京証券取引所グループ 代表執行役社長の斉藤惇氏

東京証券取引所グループが4日開いた大発会では、東京証券取引所グループ 代表執行役社長の斉藤惇氏があいさつ。「100年以上にわたって人間が資源を消費してきたことから、地球温暖化や食糧不足の問題が起きている」と述べ、今後は金銭的な資本に加え、環境・自然などの新たな資本が重要になると指摘し、新しい成長モデルが必要と訴えた。

晴れ着姿の女性が、一年の取引開始を祝って鐘を打つ「打鐘(だしょう)」を行った

また斉藤氏は、日本の金融機関が欧米の金融機関に比べて比較的健全であることや、国民の金融資産が依然として膨大なものであることを指摘し、「勇気ある経済再建に取り組もう」と呼びかけた。

さらに、4日から稼動する東京証券取引所の次世代システム「arrowhead」(アローヘッド)について触れ、「いよいよ新しいシステムで船出する」と新システムへの期待感を示した。

その後、晴れ着姿の女性5人が、一年の取引開始を祝って鐘を打つ「打鐘(だしょう)」を行い、最後に「手締め」を行って大発会を締めた。通常なら、この手締めでイベントは終了となるが、今回は、arrowheadの稼動記念セレモニーが開かれた。

arrowheadは、4日稼動開始した

arrowheadは、注文・約定処理の高速化といった投資者のニーズや注文の小口化、取引件数の急激な増加に対応するため、東京証券取引所が、「次代の現物市場を担うべく」開発した新たな売買システム。株式・CBなどのオークション取引を対象としている。5ミリ秒の注文応答時間で、注文受付通知のレスポンスが従来のシステムの400~600倍高速化されるほか、3ミリ秒の情報配信時間で、株価・気配情報等の情報配信時間が高速化されている。

稼動記念セレモニーは、午前9時の立会開始と同時に開始。東京証券取引所グループの斉藤社長らが、酒樽のフタを開く鏡開きを行った。

セレモニー終了後は、斉藤社長と晴れ着姿の女性達が報道陣のカメラに応えていた