飛行機に乗っていることさえ忘れるほど揺れない機内。ゆったりとしたソファと広々としたテーブルが配された空間で好みの飲み物を味わいながら寛ぐ。眠りたいならプライベートオフィスをダブルベッドにすることもできる―――。ファーストクラスでも及ばない優雅なフライトを体験できるエアバス「A318エリート」。その機体がはじめて日本に飛来した。
豪華ラウンジで寛ぎながら移動
A318エリートは、エアバスA320型機の派生型。A320といえば、格安エアラインによく使われる機材だが、オール・エコノミークラス仕様のA320では狭い座席が170ほども並び、窮屈という言葉以外は当てはまらない。ところが、A318エリートは機体の長さがA320より6メートルほど短いものの、14席(または18席)仕様で広々としていて、その差は歴然。とても同型機とは思えない。
A318エリートが他のビジネスジェットに勝る点も、その機内の広さにある。たとえば小型ビジネスジェットの「ガルフストリームG550」と比べると、客室の高さは225cm弱で35cm以上高く、G550のような圧迫感はない。また、客室幅は370cmで、G550より約140cmも広く、約2倍のスペースがある。
機内は広々としたラウンジ、ダブルベッドにもできるプライベートオフィス、そして側近(秘書など)用のスペースに大別され、まさにVIP仕様。ゆったりとしたつくりのプライベート化粧室も心地よい。
揺れない快適な機内
ビジネスジェットの優れた点は機内だけではない。通常の旅客機よりも高い高度4万1,000フィートを巡航するが、これくらいの高度になると揺れがとほんどなく快適。読書や仕事もはかどりやすい。
定期便ではないため、空港での待ち時間も短い。また、見知らぬ他人が乗ることがなくテロなどの心配がないのはもちろん、ビジネスで利用するなら競合他社に出張を覚られることもない。セキュリティという意味でも高い信頼性があるのだ。「一定以上の人数が上級クラスで出張する会社の場合、定期便を使うより経済的だった例もある。ビジネスジェットは通常の定期便が就航していない空港にも着陸でき、オーストラリア-南極間のフライトでは、南極の氷上に着陸したことがある」(エアバス エグゼクティブ&プライベート・アビエーション担当マーケティングディレクター・デイビッド・ベルピライ氏)。
購入価格6,200万ドルのエアバスA318エリート。こういう飛行機で海外出張してみたいもの。セキュリティや快適性だけでなく、社員のモチベーションを上げる効果は間違いなし。サラリーマンのあなた、社長さんに進言してみては!?
エアバスA318エリート | |
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客室 | |
客室全長 | 21.26m |
最大客室幅 | 3.70m |
客室床幅 | 3.56m |
客室全高 | 2.25m |
床面積 | 74.20m2 |
機体 | |
全長 | 31.45m |
全幅 | 34.10m |
全高 | 12.51m |
重量 | |
最大無燃料重量 | 54.5トン |
燃料容量 | |
標準 | 24,210リットル |