2010年3月28日から成田-ドバイ線に就航を予定しているエミレーツ航空。1985年の設立以来、順調にネットワークを拡大し、今回の成田が102都市目の就航地となる。エミレーツ航空は世界中より権威あるアワードを毎年受賞している航空会社としても知られる。そんな成長の最中にあるエミレーツ航空で最上級のサービスを提供するファーストクラスのキャビンアテンダント(CA)に話を聞いてみた。

強い意志と情熱でCAに合格

エミレーツ航空のファーストクラスに乗務する山口珠代さんは、自分の強い意志でCAになった。そんな経歴の持ち主だ。

エミレーツ航空・山口珠代さん。ファーストクラス専任CAとして、「(ハネムーンなど)人生のメインイベントで乗ってらっしゃる方も多いので」と責任感は強い

山口「最初に勤めたのは電機機器メーカーのショールームでした。そこで働いていて5年ほどした時に、どうしても英語を学びたくなりカナダに語学留学。英語だけでなくツーリズムの勉強もしました。向こうでは、遊びの誘惑に流されない強い意志があったと思います。というのも、ショールームを辞めて留学したいと両親に話したら反対されました。今の会社で働いていいお嫁さんになればいいじゃないか、と言われて。それなら、自分のお金で行けば文句はないでしょうって。

そんな経緯がありましたから、遊んでいるわけにはいかない。自分のお金で行ったからもったいないと思ったのも大きな理由ですけど(笑)」

1年10カ月の留学で山口さんは英語をほぼマスターしてしまう。そんな彼女の熱意と意志は周囲の人たちにも伝わっていたのだろう。帰国して就職先が決まるまでの一年余りの間、ショールーム時代の元上司がアルバイトに誘ってくれた。

そして、山口さんは2002年9月にエミレーツ航空に入社。エミレーツ航空はこの年の10月に日本(関空)就航を果たしているが、その際にCAとして採用され、世界を舞台とする職業への転職に成功した。留学には反対していた両親も、入社にはとても喜んでくれた。

3月より、いよいよ成田-ドバイ線に就航予定のエミレーツ航空機体イメージ

山口「急成長している航空会社に入れたのは本当にラッキーでした。社内で新しく就航する空港が発表になるのを見るたびに、自然と頑張りたくなる。ドバイを拠点に世界中のフライトに乗っていますから、いろいろな国に行けて本当に楽しいです。アメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや南米、世界6大陸100カ国以上へも飛んでいて、まさに世界中に行けるんですよ。

また、エミレーツにはUAE本国出身だからとか、そういう区別がなく、希望して試験を受けてパスすれば誰でも昇格できるフェアな社風があります。そういう点でもモチベーションが上がりますね。

CAになると、まずエコノミークラスに配置され、その後、一定期間乗務して試験にパスすればビジネスクラスに乗務できますし、同じように一定期間の乗務を経て試験を受けて合格すればファーストクラスに上がれます。さらにシニアレベルのパーサーなどのポジションへも本人次第で試験を受け、合格すれば昇格できます」…つづきを読む