米Appleが「iSlate.com」というドメイン名を登録していたこと(「米Appleの新型タブレットの名称は「iSlate」? - ドメイン登録DBに記録」)をすでにお伝えしたが、これに関してさらなる続報が出ている。「iSlate」という名称が米国と欧州で商標登録されており、この登録者が米Appleのダミー会社の可能性が高いこと。さらにこの会社が別の商標「Magic Slate」を登録していることが判明し、新たなキーワード登場で新製品発表に向けた憶測に拍車がかかっている。
「iSlate.jp」ドメインもすでに登録済み
MacRumorsの最初のレポートに続いてiSlateに関する続報を報じたのはTechCrunchで、"iSlate"ドメインに関するさらなる調査と、「iSlate」という商標を登録している謎の企業「Slate Computing」について触れている。iSlate.comがMarkMonitorという企業によってドメイン登録されているのは既報の通りだが、「iSlate.jp」「iSlate.cn」「iSlate.info」「iSlate.biz」の4ドメインも同社によって登録されていることが判明。また「iSlate.de」はInnovative Dynamics GmbH、「iSlate.fr」はWilson & Bertheloという企業によって登録されているようだ。奇妙なのはこれらすべてのドメイン登録が2007年11月~12月の時期に集中していることで、同時期に現在の所有者に移管されたiSlate.comも含め、何者かが意図的に関連ドメインを買い集めていることがわかる。
「Slate Computing」とは何者なのか
さらに興味深いのは、「iSlate」を商標登録している「Slate Computing」という企業そのものの謎だ。登記上の本社は米デラウェア州に存在するが、オンライン上に同社に関する情報はいっさい存在せず、ただ登記時の会社説明文書からコンピュータ関連企業であることがわかるのみだ。米特許商標局(USPTO)での商標申請は2008年6月で、同社は欧州でも同商標を2008年11月に申請している。また「slatecomputing.com」というドメインの所有企業はタックスヘイブンで有名なケイマン諸島が所在地になっており、以上の経緯からダミー会社である可能性が高い。これが米Appleの関連会社であるかは不明だが、MarkMonitorの件と合わせて本来の所有者を隠す目的であれば理にかなっている。MacRumorsによれば、以前に「iPhone」という商標を所有していたのは「Ocean Telecom Services」という名称の企業で、やはりデラウェア州に拠点を置いており、今回のSlate Computingでも同様の手順が踏まれている可能性は高い。
MacRumorsではさらに、Slate Computingと商標に関する詳細調査を進めている。Slate Computingが申請した「iSlate」の商標だが、この商標申請書類の署名者が「Regina Porter」という人物で、MacRumorsによれば同人物は米AppleのSenior Trademark Specialist、つまり商標登録の専門家だと指摘している。同氏のプロフィールは転職SNSで有名なLinkedInのサイトで確認できる。Slate Computingの申請者と同一人物という確証はないが、興味深い一致だ。
新たな商標「Magic Slate」
そしてMacRumorsがもう1つ報じているのが、Slate Computingによって申請された別の商標の存在で、これはFscklogによって発見された。「Magic Slate」という商標はコンピュータ全般のカテゴリをカバーするという。先日発売されたマルチタッチ対応の「Magic Mouse」に酷似する名称だが、Magic Slateも同様にマルチタッチ機能を備えた何らかの周辺機器やサービスである可能性が高い。米Appleが以前に買収し現在のマルチタッチ技術の祖になっているFingerworksの「iGesture Pad」という製品や、あるいは過去噂になったデスクトップ向けのマルチタッチ入力装置のようなものかもしれない。