全面タッチスクリーンのiPhone/iPod touchとハードウェアキーボードを組み合わせた文字入力を望む声がある中、Bluetoothインターフェイスを介して外部キーボードを利用可能にするソフトウェア「BTstack」に注目が集まっている。Jailbreakが前提のためすべての作業は自己責任となるが、同ソフトとApple Bluetooth keyboardなどを組み合わせた活用事例がBTstackのリリースされた23日以降に多くのBlogで紹介されているなど、その反響のほどがうかがえる。
AppleではiPhone OS 3.0以降にiPhone/iPod touchに内蔵されたユニバーサルドックコネクタやBluetooth機能をサードパーティに開放して外部機器を接続可能にする施策を発表したが、現在のところ対応周辺機器はわずかで、前述のような柔軟な外部キーボードオプションの提供は棚上げ状態になっている。今回話題となっているBTstackは、iPhone OSが標準で用意しているソフトウェアキーボードをハックすることで、Bluetooth経由でキーボード情報を直に入力することを可能にする。ソフトウェアキーボードがベースになっているため、iPhone用の全アプリで利用可能。また作者によれば現状のversion 1.0でテストしたのは5種類のキーボードだけだが、理論上は多くのBluetoothキーボードに対応している。一方で、すでに一部キーボード製品での不具合報告も受けており、今後のバージョンアップでサポートしていく意向だという。
BTstackはスイスのMatthias Ringwald氏によって進められていたプロジェクトで、その成果はBSDライセンスにてオープンソースとして公開されている。iPhone用のインストーラパッケージは用意されているものの、App Storeの認証をとれないため、Cydiaを介してパッケージをインストールすることになる。CydiaはApp Storeの認証をとれないようなアプリ群をiPhoneにインストールすためのオンラインストア兼インストーラで、その導入にはJailbreakが必要。現在BTstackはCydiaのオンラインストアで販売されており、通常版(BTstack Keyboard)は5ドル、デモ用の機能限定版(BTstack Keyboard Demo)が無料で提供されている。Cydiaの詳細やBTstackの導入方法については、SimonblogやTUAWなどのレポートを参照してほしい。
なお、対応は3G以降のiPhoneまたは第2世代以降のiPod touchのみとなる。初代iPhone/iPod touchは現行のBTstack v1.0ではサポートされない。