漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2009』決勝戦が20日、東京・六本木のテレビ朝日で行われ、決勝初出場のパンクブーブー(佐藤哲夫・黒瀬純、よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)がグランプリに輝き、優勝賞金 1000万円を手にした。
9回目を迎える『M-1』のファイナリストは、ナイツ、南海キャンディーズ、東京ダイナマイト、ハリセンボン、笑い飯、ハライチ、モンスターエンジン、パンクブーブー(ネタ順)の8組。ファーストラウンドでは、8回連続決勝出場の笑い飯が大会委員長の島田紳助からM-1史上初の満点"100点"を獲得。「100点つけると後の審査で困るけど、もう困ってもええわと思ってつけました」(紳助)と絶賛されるネタで668点をマークし、ぶっちぎりのトップに。そして、注目の敗者復活戦から昨年の王者・NON STYLEが勝ち上がり、大会初の2連覇をかけた熱演で641点を獲得していきなりトップ3にすべり込むなど大波乱となった今大会。この2強と並んで決勝ラウンドを戦ったパンクブーブーは、7名の審査員(紳助、松本人志、上沼恵美子、東国原英夫宮崎県知事、オール巨人、渡辺正行、中田カウス)全員の票を独占するパーフェクトな勝利で見事、チャンピオンの栄冠を手にした。
パンクブーブーは2001年4月結成。それ以前は九州の吉本興業福岡事務所に所属し、それぞれ別のコンビで活動。後に東京に拠点を移した。『M-1』には第1回大会から9年連続で挑戦し、5度の準決勝進出を果たしている実力派。『爆笑オンエアバトル』(NHK総合)、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)などに出演しているもののテレビでの露出はほとんどなく、ルミネtheよしもとなどの劇場で腕を磨いてきた。福岡時代の先輩である博多華丸・大吉、タカアンドトシ、宮川大輔、次長課長・河本ら芸人仲間からの評価は高く、「決勝に残れば怖いコンビ」と言われながら、その直前で涙を呑んできた2人の“悲願”が9年目の今年、初めて叶った。
大会後に行われた会見では、開口一番、黒瀬が「実感が湧かないんです。正直、笑い飯さんが優勝するものと思っていたので」とコメントし、まだ優勝が信じられないといった様子の2人。決勝初進出を決めたときには「3時間も泣き続けた」という黒瀬だが「びっくりしすぎて涙も出ない(笑)」と驚きを明かした。佐藤は「紳助さんに『M-1で優勝したら、吉本やとギャラが1.8倍になる』って言われたんですけど、月に13~14万円程度の僕らのギャラでは、あんまり大したことないんじゃないかと……」(佐藤)とぶっちゃけて笑わせながらも、「漫才は楽しいけど苦しいことでもある。それでもM-1とがっつり向き合ってきました」と9年の苦節を振り返り、喜びを噛みしめていた。
また、会見に出席した紳助は「笑い飯の1本目のネタには感動したけど、決勝ラウンドはこいつら。審査員みんなが納得した優勝です。彼らは漫才を10回やってもその全部が上手いと思う。それぐらい力のあるコンビ」と2人を絶賛。「これまでの露出が少ないぶん、これからが恐怖。いろんなテレビに出てすべったらどうしようとかそればっかりが気がかりで」と初々しい不安を漏らす2人に、「9年もやってんねんから大丈夫! ギャラも18万円ぐらいにはなるやろうけど、急にお金なんか入ってけぇへんし(笑)。(M-1歴代王者の)ブラックマヨネーズやチュートリアルのようにフリートークを磨いてがんばってください!」と激励していた。