山田風太郎氏の小説『甲賀忍法帖』をせがわまさき氏が漫画化した『バジリスク~甲賀忍法帖~』(講談社刊)を原作とする全24話のTVアニメ『バジリスク~甲賀忍法帖~』。2005年4月に放送された本作が、約5年の月日を経てBlu-ray BOX化され、2010年2月24日に発売される。価格は47,250円

■『バジリスク~甲賀忍法帖~』ストーリー概要
慶長十九年。家康は悩んでいた。暗愚の兄・竹千代か、聡明な弟・国千代か? 混乱を極める徳川三代将軍の世継ぎ問題に決着をつけるため、甲賀、伊賀という忍法の二大宗家を争わせ、それぞれの精鋭十人対十人の忍法殺戮合戦の結果、どちらか生き残ったほうにそれを賭けるという厳命を下した。怨敵に挑んでゆく忍者達の秘術の限りを尽くして繰り広げられる忍法争い。そして、男女の愛憎と凄惨な戦いの果てに失われていく仲間達……。勝つのは甲賀か、伊賀か? 最後に生き残るのは一体誰なのか!?

エミー賞作品賞ノミネート作品『アフロサムライ:レザレクション』を手掛ける木﨑文智監督を筆頭に、シリーズ構成・脚本を『戦国BASARA』のむとうやすゆき氏、キャラクターデザイン・総作画監督を『機動戦士ガンダム00』の千葉道徳氏、美術監督をエミ-賞アニメーション審査員賞を受賞した池田繁美氏が務めるなど、豪華スタッフが集結した渾身作ともいえるTVアニメ『バジリスク~甲賀忍法帖~』。そのBlu-ray BOXには、主人公・甲賀弦之介役の鳥海浩輔、朧役で、先日第60回NHK紅白歌合戦出場も発表されるなど声優、そして歌手として多方面で活躍中の水樹奈々、そして木﨑文智監督とむとうやすゆき氏が参加する新規映像特典「愛念懐古」が収録される。

『バジリスク~甲賀忍法帖~ Blu-ray BOX』の特典収納BOXには、キャラクターデザイン・千葉道徳氏による描き下ろしイラストが使用される

映像特典の収録は座談会形式で行われ、「バトルアクション」「緻密な絵作り」「作品を彩った音楽」「宿命を背負った忍者」「悲恋の物語」、そして「バジリスクとは?」という6つのテーマを区切り、放送から5年が経過したとは思えない4人の熱いトークが繰り広げられた。

鳥海浩輔は、ひと言、ふた言の日もあったように、熟慮を重ねてしか言葉を発さない弦之介というキャラクターを演じるには、それだけ一言に思いを入れ込まないといけないため大変な役であったこと、友だちの演出家から、『バジリスク』をやってから演技がうまくなったと言われるようになったというエピソードを明かした。一方、水樹奈々は、『バジリスク』を最初に読んだときに、絶対自分で詞を書きたいと思ったこと、作詞に至っては、原作や脚本だけでなく、本屋に行き、古き良き日本語を自分で調べて、そこから詞を書いたという話を披露した。木﨑監督は、『バジリスク』が無かったら、自分は演出家としてやっていけていないということや、むとうやすゆき氏からは、最終話を書き上げるときに、半蔵門へ実際に自ら出向き、水樹奈々が歌ったED曲「ヒメムラサキ」を聴きながら、盛り上げすぎて、余計なシーンをたくさん書いてしまったという秘話が語られた。

以下、特典映像からの抜粋をチェックしてみよう。

■特典映像その参「作品を彩った音楽」
水樹奈々「『バジリスク』を最初に読んだときに、絶対自分で詞を書きたいと思ったんです。それで原作、漫画、脚本だけでなく、本屋へ行って、古き良き日本語を自分で調べて、いろんな本を読みあさってそこから詞を書きました。時間はかかりましたが、『ヒメムラサキ』は、1話の川の最後のシーンを見せていただいた時に、その情景に沿って言葉が生まれてきたんです。また、詞の中で"雨夜の月"や"胡蝶の夢"など、キャラクターの名前や技をちょっとずつ入れてみたりして……、詞を聞けばキャラクターとリンクしていると気づいてもらえるんじゃないかと思って。さらに、予告のナレーションの中で歌詞を抜粋してもらったりして……」
むとう氏「"ゆずれぬ未来"とかですよね。『バジリスク』の予告コメント執筆は作詞に限りなく近い感覚だったと思うのですが、『これしかない』という言葉を楽曲の詞からいくつかいただいてリンクさせています。役者の皆さんとお話できる時間は限られていたので、演じてくれてありがとう、水樹さんがやっていてくれていることを、ちゃんと受け止めてますよというサインを込めたという意味合いもありました。収録後飲みに行ったときに鳥海さんと話したことを、後の話数にさりげなく盛り込んでみたり、打てば響く人がたくさんいた作品なので、いろいろなことが掛け算というか、キャッチボールになっていたと思います」

■特典映像その伍「悲恋の物語」弦之介と朧の話
鳥海浩輔「原作を読んでいたので、先を知っているというのはありましたが、こう盛り上がるからこうしようみたいに逆算してはやりたくなかったですね。その時のピュアな思いを大事に演じていました」
水樹奈々「朧は駆け引きや計算ができない、目の前にあることを必死にクリアしていこうとするキャラクターだったので、常に全力でいこうと思っていました。その先に何が待っているかは考えないで、毎回リセットして……。『絶対に最後は弦之介様と幸せになるんだ!!』ということだけを信じて演じていました」

鳥海浩輔と水樹奈々が語る『バジリスク~甲賀忍法帖~ Blu-ray BOX』

それでは最後に、特典映像の収録語に鳥海浩輔と水樹奈々が語ったメッセージを紹介しておこう。

鳥海浩輔(右)と水樹奈々(左)

――特典映像の収録で、あらためて木﨑監督とむとうやすゆきさんと話してみた感想をお願いします

鳥海浩輔「収録していた当時、収録後にみんなで飲みにいったりしていたので、お二人がとても熱い方だということは存じ上げていたのですが、今も変わらず、熱い思いや強い信念を持ち続けていらっしゃったので、話していてとても楽しかったです」
水樹奈々「毎週、収録が終わった後に飲み会があって、私もちょこちょこと参加させていただいたのですが、やはりそのときに、お二人の熱さをすごく感じていました。あんなにキャストの飲み会参加率が高い現場もなかったですね(笑)。ただ、みんなで一緒に話していたので、なかなか個人的にお話しする機会がなかったんですよ。曲についてもいろいろなお話を聞けましたし、私たちが感じていたことを、木﨑監督やむとうさんも同じように感じてくれていたということがわかって、本当にうれしかったですし、とても素敵な機会でした」

――Blu-ray Boxを楽しみにしているファンの方へのメッセージをお願いします

鳥海「ただでさえすごい映像で、すごい音楽の作品だった『バジリスク』を、さらにグレードアップして、皆さんのもとにお届けすることができますので、まだ観ていない方はもちろん、一度観たという方もぜひご覧になっていただけたらいいなと思います」
水樹「今日私たちが収録した特典映像をご覧になって、『なるほど、あのシーンはこうだったんだ!』と裏側に迫ってから、また本編を観ていただくと、より深く『バジリスク』の世界に入っていただけるのではないかと思います。これから5年、10年、何年経っても、決して色あせることのない作品だと思いますので、ぜひそれをハイクオリティな映像で、楽しんでみてください。よろしくお願いします」



収録時、4人の口から"バジリスクは自分にとって転機となった作品です"と語られたとおり、本作品終了後、めざましい活躍をみせる4人が一堂に会し、収録した75分。この熱い特典映像は、必見といっても過言ではないだろう。

タイトル バジリスク~甲賀忍法帖~ Blu-ray BOX
収録内容 TVシリーズ全24話収録 / 6枚組
約625分 (本編約550分+映像特典75分)
発売予定日 2010年2月24日
価格 47,250円
封入特典 キャラクターデザイン・千葉道徳描き下ろし収納BOX、解説書
映像特典 CAST×STAFF スペシャル対談「愛念懐古」(出演 / 鳥海浩輔、水樹奈々、木﨑文智、むとうやすゆき)
発売元 ゴンゾ 販売元 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
(C)山田風太郎・せがわまさき・講談社/GONZO