iPhone向けの面白いアプリがまた登場した。iPhone上で音声によるテキスト入力を可能にするNuance Communicationsの「Dragon Dictation」だ(12月9日現在、日本からは購入不可)。NuanceはDragon NaturallySpeaking (ドラゴンスピーチ)などの製品で日本でもお馴染みのメーカー。アプリは無料で提供されており、作成した文書はメールやSMSで利用できるほか、クリップボードに貼り付けて他のアプリで利用できる。

Dragon Dictationのメイン画面。バーチャルキーボードで細かい修正も可能

Dragon Dictationをインストールすると、画面に録音ボタンが出現し、これをクリックすると録音がスタートする。この間にマイクから入力した音声がそのままテキストとして出力される。Dictation(口述)で逐次変換されたテキストを確認しながら再度録音ボタンを押すことで続けてテキストを入力できるほか、画面の単語をクリックすることで削除や修正も可能。またバーチャルキーボードを出現させて細かい修正も行える。完成した文章は画面右端の入力ボタンを押すことで「メール」「SMS」「クリップボード」のいずれかに出力できる。対応は英語のみだが、手軽に利用できる音声入力アプリが無料で遊べる点は面白いだろう。

単語のまるごと消去や変更などはキーボードなしで直接操作できる

文章が完成したら、送信先アプリまたはクリップボードを選択する

なお同アプリの公開後、App StoreのDragon Dictation紹介ページには1日と経たずに大量のレビューが掲載されているが、面白さを評価する反面、EULAに記載された記述を巡り批判コメントが半数を占めている。その内容はアプリの初回起動時にEULAを表示して利用者のコンタクト情報をNuanceのサーバに送信することを同意するよう求めたもので、プライバシー上の問題から反発したユーザーが多かったようだ。この件に関してNuanceは補足コメントを出しており、コンタクト情報で送信するのは利用者本人の名前のみで、音声認識エンジンの精度を向上させ、本人の名前の正式な"つづり"を覚えるために利用するなど、ごく限定的な用途に限られると説明する。