米Googleは12月8日(現地時間)、Webブラウザ「Chrome」のMac版とLinux版のベータ提供を開始した。バージョン番号は4.0.249.30。Google Chromeのページから無償でダウンロード入手できる。対応する環境は、Mac版がMac OS X 10.5以降のIntel Mac、Linux版がDebian/Ubuntu/Fedora/openSUSEとなっている。
Mac版とLinux版は「スピード」「安定性」「セキュリティ」というChromeの特長を備えながら、それぞれのOS用のWebブラウザとして機能するように土台から設計し直された。
Mac版の場合、ベータ版に至るまでに29の開発者バージョンがリリースされてきた。Mac版のみで73,804行の専用のコードが書かれ、1,177個のバグが修正されたという。カスタマイズ可能な「新しいタブ・ページ」、Webや履歴の検索にも対応するアドレスバー「Omnibox」、テーマギャラリーなどを装備。Mac OS XのキーチェーンアクセスによるユーザーID/パスワードなどの管理をサポートする。その一方でフォントおよび言語の設定、ブックマーク管理などがなく、日常的に利用する上で足りない機能も目立つ。同日にベータ提供が始まったGoogle Chromeの拡張機能もMac版のみ利用できない。
ほとんどのエンジニアがLinuxマシンを使用しているGoogle社内では、Linux版Chromeの安定版の登場が最も待ち望まれているそうだ。
Linux版は、Linuxエコシステムに適応できるようにユーザーインターフェイスにGTKを採用。GnomeおよびKDEの環境でスムースに動作し、システムパッケージ・マネージャーを通じたアップデートが可能だ。Linux版の開発はメーリングリストやIRCチャンネル、バグトラッカー、コードリポジトリを用い、Chromiumと最も強く結びついたオープンソース・プロジェクトとして進められている。製品マネージャーのBrian Rakowski氏によると、Chromiumに関わる50人以上のオープンソース開発者の貢献がChrome Linux版に用いられている。拡張機能 (ベータ)も利用可能で、Chromium BlogではChrome Linux版を「高速、セキュア、安定動作、シンプル。拡張性に優れ、そしてHTML5のようなオープン標準を後押しする」と説明している。