内閣府は8日、10月の景気動向指数(速報)を発表した。速報によると現在の景気とほぼ一致して動く「一致指数」は94.3で、前月比で1.1ポイントの上昇。景気に先行して動く「先行指数」は、前月から2.2ポイント上昇の89.7だった。内閣府は景気の基調判断を9月の「上方への局面変化を示している」から「改善を示している」に上方修正した。

景気動向指数は、景気の現状把握や将来予測に資するために作成された総合的な景気指標。景気変動の大きさなどを測定するCI(コンポジット・インデックス)と、景気転換点の判定に用いるDI(ディフュージョン・インデックス)がある。内閣府は2008年4月分よりDI中心からCI中心の公表形態へと移行している。

一致指数は今年3月に84.7にまで落ち込んでから7カ月連続で上昇。10月は大口電力使用量が前月比で2.5ポイント、中小企業売上高(製造業)が同2.3ポイント上昇するなど、ほとんどの項目で改善がみられた。

景気に先行して動く「先行指数」は8カ月連続の上昇。東証株価指数が17.6ポイント、日経商品指数が9.7ポイントとそれぞれ大きく改善。悪化したのは、鉱工業生産財在庫率指数(前月比3.4ポイント減)と中小企業売上見通しD.T(同1.9ポイント減)の2項目のみだった。一方、景気に対し遅れて動く「遅行指数」は前月比1.7ポイント上昇の84.8だった。