2010年5月に公開を予定している小林政広監督の最新作『春との旅』の完成披露試写会および完成報告会見が7日、東京・有楽町の朝日ホールで行われ、主演の仲代達矢、徳永えりらが出席した。

『春との旅』で"春"を演じた徳永えり

「生きることとは何なのか」を主題とした同作。足を痛め、孫娘・春の面倒なくしては生きられない元漁師・忠男と、小さな町で職を失ってしまった18歳の春が、忠男の最後の住まいを求めて、疎遠となった親類縁者を訪ね歩く旅の物語で、旅の出発当初反発し合う2人は、旅の中で祖父と孫としての絆を深めていく。

舞台挨拶にて、小林監督は春を演じた徳永について、「大竹しのぶさんのように、演技に集中できる女優」と絶賛。また、徳永は「まさに、春と過ごした旅でした。本当に素敵な時間を過ごさせていただき、私にとって財産となる時間でした」と撮影を振り返った。

「3年前、仲代さんに台本を送って出演をOKしてもらってから3年。やっと実現した。この日が迎えられたことが嬉しい」と、感無量の小林監督

忠男を演じた仲代達矢。「シナリオに惚れて出演を決めた」というが、「映画はシナリオを超えていると思う」と自信を見せる

また、舞台挨拶終了後に行われた会見では、取材陣から「春の歩き方が独特でチャーミングだった」との感想が寄せられた。春の歩き方は、小林監督が徳永に「四股を踏みながら歩く感じで」と指示したものだという。クランクイン1週間前から歩き方の練習をしたと話す徳永は「この歩き方が春のキャラクターであり、(演じる上での)助けられた部分でした」としながらも、「(練習しすぎて)ガニマタ具合がひどくなってしまった時もありました(笑)」と、はにかみながら撮影エピソードを語っていた。

素朴な雰囲気の春とは打って変わって、完成披露試写会には華麗なワンピース姿で登場した徳永

『春との旅』は2010年5月に全国ロードショー