もうすぐクリスマス。街中がキラキラきらめく、この季節にぴったりの"夜景ホテル"とは? 高層階からの夜景、バスタブから眺める夜景、雨の日の夜景、それに知られざる夜景演出法まで! 恋人たち必読の夜景評論家による解説つきでお届けしよう。

ANA インターコンチネンタルホテル東京のエントランスには、ゴールドに輝くクリスマスツリーが

今回訪れたのは、東京・溜池山王のANA インターコンチネンタルホテル東京。現在、インターコンチネンタルでは国内6ホテルで6通りのクリスマスプラン「InterContinental Christmas 2009」(~12月25日まで)を展開しており、シティエリアでは、ベストビューの「夜景」が見える客室を用意するというクリスマスムードを一気に高めるプランを用意しているのだ。

ANA インターコンチネンタルホテル東京で楽しめるのは、22F~27Fのデラックスフロアを利用した「InterContinental Christmas 2009 ステイプラン」と、ルームサービスディナーがセットになった「InterContinental Christmas 2009 ルームサービスディナープラン」。同ホテルは、三角柱のようなフォルムを採用することで三辺それぞれが、マンハッタンサイド(六本木、渋谷方面)、パレスサイド(皇居方面)、タワーサイド(東京タワー方面)という日本を代表とするランドマークに面し、全客室がそれぞれの眺めを最大限に楽しめる角度に設計されているという。まず、見学させていただいたのは、西側に面したデラックスフロア(27階)のダブルルームだ。

六本木ヒルズ・東京ミッドタウン側の客室。エネルギッシュな都市夜景が広がる

西向きの部屋の利点として、「黄昏色に染まる空と青々としたブルーモーメント、そして闇に包まれていく空の移ろいを感じられますね」と解説してくれたのは、夜景評論家の丸々もとおさん。テーブルにはプラン特典のロゼシャンパーニュが用意され、「暖色の夜景を味わった後は、ベッドやバスタブから深夜の夜景を楽しんだり……」と説明を聞いているだけで、都会ならではの贅沢! と叫びたくなってしまう。

「InterContinental Christmas 2009 ステイプラン」で利用できるデラックスフロアの客室

客室には、女性に人気が高いというロゼシャンパーニュ(ハーフボトル)を用意。クリスマスツリー(1万円)、花びらでの演出(3,000円)はオプション

丸々さんによると、「都市において、夜景を見るのに最適な高さは遠方が見渡せる20階以上」。夜景を観るならより高層階! という思い込みもあるが、「あまり高層階になりすぎると、空しか見えなかったりします」とバッサリ。また、竹芝などの湾岸部であれば「5階程度でも大丈夫」だと言うから、立地も計算に入れて夜景ホテル選びをしなければならない。

そのほか、ソファなどに座ったときに夜景の光がしっかり見えるか、ベッドから観た場合はどうか(沈みこみすぎるベッドはNG)、窓枠とベッドの高さはベストバランスか、など確認事項は多々あるそうだが、ホテルが「ベストビュー」と銘打つ今回のプランでは、「いかにリラックスして夜景を楽しめるか」という丸々さんのチェックポイントはクリア済みのようだ。

また、眼下に高速道路のジャンクションの夜景が楽しめるANA インターコンチネンタルホテル東京の客室では、「静の夜景(リゾート性)と動の夜景(都市性)が共存しているのもポイントが高い」と丸々さん。なるほど、夜景は眼下にも広がっているんだ、と感心してしまう。

バスルームに大きな窓が用意された「ビューバス」。お風呂に入りながらも夜景が楽しめる! と想像するだけで女子ならテンションがあがるはず

ベストバランスは「空:夜景が2:1」

丸々さん曰く、夜景黄金比は「空:夜景が2:1となっている状態」。夜景が少なめでは? と思う方もいるかもしれないが、これは光の情報量が多いと初めは「キレイ!」と感じていてもずっと眺めるには疲れてしまうからだそう(恋人たちがリラックスした気分になれないんだとか)。

10日程前にデラックスフロアに実際に宿泊したという、夜景評論家の丸々もとおさん

また夜景鑑賞の天敵である窓ガラスへの映りこみを防ぐために、部屋の照明がコーナーごとに分割されていることも重要な要素だという。説明していただいた部屋は、読書灯が可動式になっており、「活用度が高い」んだとか。丸々さんは夜景を観るために、デスク上のライトを床に下ろして、間接光として使用することもあるというこだわりっぷり。「照明を変化させることで自分なりの演出が可能になる!」というが、これはかなり夜景上級者の技だろう。

さらに、夜景鑑賞に大切なのは「曜日」。これは、休日と平日を比べるとビル群の点灯具合が異なるからだという。土日は、平日と違い夜景が静まりかえっているので、「東京タワー向きの部屋をチョイスした場合は、シンボリックに東京タワーが見えますよ」とのこと。メモをとるのに必死なこちらにおかまいなく、丸々さんの口からは夜景トリビアが続く……。

雨でも夜景効果は期待できる!

取材当日は残念ながら雨模様。きらめく夜景は拝めなかったが、「雨の夜景も実は効果的なんですよ」と丸々さん。例えば、「天候が悪ければ悪いほど、地上の光が雲に乱反射して空の表情を楽しめたり、水溜りに周囲の光が映りこんで夜景が天地に広がったり…」と聞けば聞くほど、天気の悪さが気にならなくなるから不思議。そして、"光の情報量"が少なく、輪郭がぼやけた雨の日の夜景では「2人だけの世界にある意味、酔えます!」というコメントも。雨でがっかり、かと思いきや、恋人たちの夜にはどんな天候も味方になってしまうのだ。

「派手で最初にインパクトがある夜景より、ずっと観続けるには適している」とは丸々さんの"雨の夜景"評。客室からは、てっぺんに霞みがかかり移ろう東京タワー、周囲から孤立したように淡い光を放つライトアップされた国会議事堂などが鑑賞できた

ちなみに、丸々さんオススメの夜景ホテルの過ごし方は、「まず16時頃にチェックインし、薄暮へと移り変わる空の表情を楽しみながらリラックス。ルームサービスまたはレストランでディナーをいただいた後は闇の中で輝く夜景を照明を落として満喫」とのこと。ぜひぜひ実践してみていただきたい。

おもてなしの心「in the know」

さまざまなプレゼントを盛り込んだクリスマスプラン「Merry Sweet Christmas」も用意。抽選で1名にデンマーク王室御用達ブランドの「ゴールドリング(10万円相当)」が当たるサプライズ付き

さて、以上の話を踏まえ、夜景ホテルを予約しよう! と思い立ったアナタ。どこの階がいいのか? どこ向きの客室にしようか? などと悩んだら、ルーム指定は部屋の空き状況にもよるが対応してくれるそうなので、ホテルスタッフにぜひ相談を。

「かけがえのない体験をお届けしたい」という想いから生まれた、おもてなしの精神「in the know」を大切にするインターコンチネンタル。ガイドブックには掲載されていない、その土地に暮らす人だからこそ知りうる"とっておきの情報"を届けることを心がけ、「相談したいことはなんでも投げかけてください!」という太っ腹なコンシェルジュたちが揃う同ホテルなら、夜景+αの演出でカノジョを喜ばせられるかも?