東京証券取引所は2日、株式・CBなどのオークション取引において、高速性と信頼性を併せ持つ取引所システム『arrowhead(アローヘッド)」を、当初予定どおり、2010年1月4日から本番稼働させることを決定したと発表した。
「arrowhead」は、注文・約定処理の高速化といった投資者のニーズや注文の小口化、取引件数の急激な増加に対応するため、東京証券取引所が、「次代の現物市場を担うべく」開発した新たな売買システム。株式・CBなどのオークション取引を対象としている。
5ミリ秒の注文応答時間で、注文受付通知のレスポンスが高速化されるほか、3ミリ秒の情報配信時間で、株価・気配情報等の情報配信時間が高速化される。また、注文・約定・注文板などの取引情報を三重化されたサーバ上で処理することで、高い信頼性を実現している。
取引件数の急激な変化に即時に対応、システム拡張においてあらかじめ定めた拡張基準を超えた場合、1週間程度で拡張対応が可能となっている。
東京証券取引所ではさらに、arrowhead稼働に合わせて、呼値の刻みや制限値幅、特別気配の更新値幅の一部見直しなど、売買制度の見直しも行う。「これにより、円滑な約定の促進や、価格発見機能及び流動性の向上が期待できる」(東京証券取引所)としている。