Pointy Heads SoftwareがiTunesのApp Storeで1日(米国時間)に公開した「Knocking Live Video」というアプリが話題になっている。このアプリ、iPhoneのカメラで撮影した風景を3GまたはWi-Fiネットワークを通じて別のiPhoneやiPod touchに中継する便利なものだが、これまでにないイレギュラーな出来事が2点ほど発生したことで大きく取り上げられることになった。アプリの紹介をしつつ、その背景をみていこう。
Knocking Live Videoは、このアプリをインストールした友人のiPhone同士でライブストリーミングを可能にする無料アプリだ。例えばあなたが旅先での風景やふと目にしたハプニングを友人に知らせたいと思ったとき、このアプリを起動してリストから友人を選択すると、友人のiPhoneが"Knocking"(ノック)された状態になり、これを友人が了承することでライブ中継がスタートする。いわゆるP2Pのビデオストリーミングアプリだ。サーバにファイルをアップロードするのでもなく、あくまでiPhone間の1対1で中継を行うというのがこのアプリの特徴だ。対応機種は初代iPhone、iPhone 3G、iPhone 3GSで、受信のみiPod touchも利用できる。ネットワークは3GあるいはWi-Fiのいずれかに対応し、どこからでも中継が行える。
こうしたアプリがいままでありそうでなかった理由の1つが、ライブストリーミングのサポートだ。カメラ経由で映された映像をそのままライブストリーミングに投影する方法がないため、動画での中継が難しかったことが挙げられる。だがKnocking Live Videoでは、アプリ開発者らの間で知る人ぞ知る内部のプライベートAPIを利用することで、カメラで取り込まれた映像をそのままキャプチャしてネットワーク上に流すことに成功し、ライブストリーミングを実現している。だがこの仕組みがアダとなったのかは不明だが、iPhoneの開発ガイドラインに従っていないという理由でApp Storeへの登録許可が下りず、アプリを公開できない状態が続いていた。
そこでKnocking Live Videoの開発者は米Apple CEOのSteve Jobs氏への直訴を敢行、同件を報じたArs Technicaによれば、トップダウン形式でApp Store審査の裁定を覆し、晴れて今回の正式公開へと結びついた。Pointy Heads開発トップのBrian Meehan氏は「アプリが審査ではねられたとき、決して諦めるものか」との思いでJobs氏への審査再考を促すメールを書きつづっていたという。トップの意見で決定が覆るレアなケースの1つとなったというストーリーだ。
Knocking Live Video | ||||
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