米Microsoftが11月10日(現地時間)に提供を開始した11月分の定例アップデートを適用することで、Windowsの画面が真っ暗になった状態のまま固まる「Black Screen」と呼ばれる現象を発生させる可能性があると、あるセキュリティ企業が指摘している。
問題を指摘したのはセキュリティ対策企業の英Prevxで、同社Blogの投稿の中で問題の存在とその対策について紹介している。現象としては通常通りにWindowsの起動画面が出るものの、ログオンしようとした段階でデスクトップ画面には背景やタスクバーなどが何も表示されず、ただ真っ黒な画面が表示されてほとんどの操作ができなくなるというもの。対象となるのはWindows XP/Vista/7といった現行のOS製品だけでなく、Windows 2000やNT、そしてWindows Serverなど、NT系列のWindowsすべてが問題になるようだ。
この状態になると"マイコンピュータ"のエクスプローラが1枚ウインドウとして開けるのみになる。Prevxではこの状態になってしまったユーザーのために緊急回避プログラムを用意しており、ブラックスクリーン状態でもインターネットからのダウンロードと実行ができる方法を紹介している。詳細については前述のBlog記事を参照のこと。
今回の問題はPrevxによって先週末に最初に報告された後、米国を中心に感謝祭休み開けの月曜日にあたる30日に一気に騒ぎが広がった。PC Worldのレポートによれば、ログオンプロセスに利用されるACL (Access Control List)はレジストリで管理されているが、Prevxの推測では最新のパッチでは該当部分のレジストリキーに何らかの変更が加わることでブラックスクリーンを誘発している可能性があると指摘している。Prevxが提供を開始した回避プログラムは問題そのものを解決するわけではないものの、アップデート適用で変更されてしまったレジストリを修正する機能を持つという。
またTechFlashでは同件についてMicrosoftに問い合わせ「現在調査中で、完了後に回避方法を通達する」との回答を得ている。