今月半ばにGoogleによってプレビューが紹介された「Google Chrome OS」だが、そのオープンソースプロジェクトにあたる「Chromium OS」を通じてソースコードが一般公開されている。Chromium OSは試験的なプロジェクトということもあり動作可能な環境がまだ限定されているが、米DellがCommunity Blogで公開した情報によれば、同社Netbookの「Inspiron Mini 10v」上で動作するUSBキーのイメージ作成に成功したと報告している。同イメージファイルは現在Dellのサイトで配布されている。
Blogの投稿によれば、米EngadgetがすでにVostro A860でのChromium OSの動作を報告しており、Dell内部のエンジニアも数日間の作業を経てMini 10vでの同OSの動作を可能にしたという。USBキー用のイメージは「ChromiumOS_Mini10v_Nov25.img」のファイル名で同社Linux向けサポートサイト内で配布されている。当該イメージをダウンロード後にUSBキーにコピーし、同USBキーを挿入したMini 10vの電源ボタンを押してイメージをリブートさせるだけでいい。イメージファイルのコピーにはLinux OSの動作するマシン上で「dd」コマンドを用いて行う。実際の作業手順についてはBlogの内容を参照のこと。なお、USBキーの空き容量は最低8GB必要となる。
Dellによれば、今回配布されるChromium OSのイメージでの最大のポイントはWi-Fiサポートにあるという。イメージの中でBroadcomのWi-Fiアダプタサポートが行われており、Chromium OSを無線状態で利用できる。ただしWi-Fi利用には非常に大きな制限があり、Chromium OSのネットワーク接続マネージャがアクセスポイントを発見して接続を確立するまでに5~10分以上かかるという。有線接続ではこのような問題は発生しないため、辛抱するしかない。現状で既知の問題はこの接続マネージャの挙動のほか、Wi-Fi接続で必要となるWPAサプリカントのような基本コンポーネントの動作が不安定で、すぐにハングアップする可能性があるという。実際にテストしてみたいユーザーは、これらリスクを把握したうえで試してみてほしい。