10月のスーパー、百貨店、コンビニエンスストアの売り上げが出そろった。百貨店が20カ月連続で前年実績を割り込むなど、いずれも厳しい状況が続いている。

日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア11社の10月の売上高(既存店ベース)は、前年同月比5.5%減の6,165億円で、5カ月連続の前年割れ。台風通過による暴風や大雨などが影響したとみている。平均客単価(既存店ベース)は558.8円で前年同月比2.8%減。11カ月連続のマイナスとなる。商品別(全店ベース)では、菓子やソフトドリンクなどの「加工食品」が4.6%減、弁当やパンなどの「日配食品」が3.5%減だった。

スーパーも低迷が続いている。日本チェーンストア協会の発表によると、10月のスーパー売上高は、1兆347億円で、既存店ベースで前年同月比5.2%の減少。昨年12月から11カ月連続の前年割れとなる。商品別では、衣料品が前年比8.8%減と低迷。特に婦人衣料は前年比で13.6%減と大きく落ち込んだ。食料品は4.8%減。同協会では「雇用・所得環境が厳しいことや、生活者の先行き不安感を背景とする生活防衛意識の高まり、低価格指向から苦戦している」としている。

もっとも厳しい状況が続いているのが百貨店。日本百貨店協会が発表した10月の全国百貨店売上高は、前年同月比10.5%減の5,135億円で、3カ月ぶりに減少幅が2ケタ台に拡大した。前年割れはこれで20カ月続いている。商品別では「紳士服・洋品」が13.8%減、「婦人服・洋品」が13.5%減、「子ども服・洋品」が15.5%減など、衣料品が大きく落ち込んだ。また、「家具」(17.2%減)、「美術・宝飾・貴金属」(12.4%減)などの高額品での減少も目立つ。同協会では「デフレ懸念、雇用不安、所得減少などを背景とした消費者の買い控えと低価格指向が一層強まるなかで、高額品を中心に一段と厳しい商況だった」と分析している。

売上の前年割れは百貨店で20カ月、コンビニ、スーパーで11カ月連続となっており、いずれの業界でも2009年の売上高が前年実績を割り込むことは確実となっている。