国際弁護士の八代英輝氏が、18日、都内で行われた映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』就職活動生応援イベントに参加した。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』就職活動生応援イベントに参加した八代英輝弁護士

就職活動中の学生たちを集めてのイベントに、楽天の「みんなの就職事業」事業長の矢下茂雄氏とともに登壇した八代氏。本作について、「予想を裏切らず、デフォルメも効いた痛快な映画」と感想を述べた上で、「会社をブラックにするのもホワイトにするのも、結局は"人"。監督が言わんとするそのメッセージが伝わり、スピード感もあって面白く拝見できました」と語った。

自らの就職活動を振り返り「当時はいまとまったく逆で、受けてもいない会社から内定通知が届くような時代でした」と八代氏。知人たちも名だたる銀行に就職したというが、「考えてみたら、彼らが入った銀行はいま、すべて無くなってしまっているんですよ。当時はいい思いをしても、その後で割を食っているところもあるのかも」としみじみ。

また、ニューヨークの法律事務所での勤務時代は採用担当も経験したといい「アメリカの採用のキーワードは『プロアクティブ』と『チームワーク』。プロアクティブ(先を読んで自発的に行動すること)とはニキビを治す薬……ではありません(笑)」と、突然のジョークに学生たちも大笑い。「限界を感じた瞬間は?」と映画にちなんだ質問には、「裁判官だった頃、おじいさんとおじさんの裁判官、それと僕の3人でずっと同じ部屋にいて。とにかく(2人の裁判官の)話がつまらないんですよ。朝日新聞に書いてあることがすべて真実と思っているような方々で……」と言いかけたところで、「語弊のある発言でした。申し訳ありません」と訂正する一幕も。

「最近よく『弁護士の仕事はしているの?』と言われますが(笑)。ここに来る直前まで、事務所で採用面接をしていました」という八代弁護士

「就職先が『ブラック企業』だったら?」と聞かれた八代氏は、「ブラックの理由が人間関係によるものなら、半年か1年と期限を設け、その期間は上司や同僚を好きになるように頑張ってみては?」とアドバイスした上で、「それでもダメなら辞めてもいいけど、次の進路に対するビジョンを持たずに辞めるのは賛成できませんね。次の会社に移った時に、自分はこういう道を歩んできたとプレゼンできるようなキャリアを積み重ねていってほしいと思います」。ときおりジョークを交えながらも、熱いエールを送った八代氏。学生たちも終始真剣に聞き入っていた。

映画『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』は、11月21日よりシネクイントほか全国ロードショー。