これまでマイコミジャーナル上で紹介してきた、最大4,000円もの節約効果が見込める「せんたく便」。滋賀県彦根市に本社を構えるヨシハラクリーニングが行っているサービスであることは、既報の通りだ。今回は、その本社と工場にうかがい、「せんたく便」によって届いた洗濯物が、どのような作業を経ていくのか、実際に見せていただいた。

ヨシハラクリーニング本社は琵琶湖のすぐ近くに位置している

滋賀県の老舗店が手がける新サービス

琵琶湖まで徒歩3分ほどの場所に、ヨシハラクリーニングの本社兼工場はある。同店が創業したのは約50年前。滋賀県におよそ40店舗を構え、うち33店舗が直営店だ。滋賀県の老舗クリーニング店であり、ユーザーは同県の10%から15%を占めるという。同県の人なら、ヨシハラクリーニングの名前を知らない人はいない。

井伊直弼ゆかりの彦根城から、ヨシハラクリーニング本社方面を眺める

現社長の吉原保氏は3代目。先代の急逝により、2年前に社長に就任した。吉原社長は起業したIT関連の会社で8年ほど仕事をしていたことがあり、宅配クリーニングサービス「せんたく便」の開始にもその経験が役立っているようだ。

集荷から配送までをITによって一元化したことで、このようなサービスは可能となった。クリーニング工場の稼働能力に余力があったのも、新サービスを始めるきっかけのひとつとなったという。

「せんたく便」利用者の70%は関東圏在住で、20代から30代の男性が中心となっている。現在リピート率は30%ほど。サービスが浸透するに連れて高くなってきている。帰宅時間が遅い都会の独身サラリーマンなどにとっては、やはりとても便利なサービスに違いない。

「便利さ、そしてお得であることが、このサービスを利用するきっかけとなっています。もちろん、これに品質がともなうのは当然です」。吉原社長は認知度が高まることで、老舗ならではの「せんたく便」の品質も同時にわかってもらえるはずだと自信をうかがわせた。

より便利、より高品質の新サービスも登場

改めてそのサービスを簡単に確認すると、初回はパソコンや電話で注文し、ヤマト集荷サービスにクロネコボックスを自宅に持ってきてもらう。これに洗濯物を入れ、あとはふつうの宅配便のようにドライバーにボックスを渡す。洗濯物はクリーニングされ、指定日・指定時間に届くというもの。指定日は5日後から1カ月の間で指定することができる。

初回はこのようなクロネコボックスに入れて、洗濯物を送ることになる

2回目以降に利用するのは、同社から送られてくる専用バッグ

「せんたく便」にはいくつか種類があるが、当初から設けられていた「せんたく便10パック」は初回料金5,092円。10点までなら何でも入れられるので、ダウンジャケットやコートなどを出せば、かなりお得な料金となる。初回はクロネコボックス(縦27×横38×高さ29cm)に入りきれば問題ない。

その後、「せんたく便5パック」も登場。こちらは初回は、3,592円に設定されている。また、10月からは専用ハンガーで納品する「せんたく便10パックDX」「せんたく便5パックDX」が登場している。こちらはシワになる洗濯物を入れるために考案された。初回料金は、10パックが6,092円、5パックが4,592円となっている。

ハンガー掛けの洗濯物をそのまま入れることができる「DX」バージョン。今年10月からサービスが始まった

2回目以降はさらにお得な料金設定

ヨシハラクリーニング社長・吉原保氏

「せんたく便」を始めるにあたって、「最も難しい問題は料金設定でした」と吉原社長は語る。北海道、沖縄や離島地域を除き送料を無料にすることにこだわる一方、洗濯物の点数をどのように調整するか苦労したという。

一般的なクリーニングと異なり、「せんたく便」の場合、料金は1点いくらという設定ではない。送る洗濯物の内容によって、料金が安く感じられるか否かがわかれるところだが、この点についても、詳しくは以前の記事、またはヨシハラクリーニングのホームページで確認していただきたい。

いずれにしても、2回目以降、リピート割引料金が適用されるので、お得感はさらに増すことは確かだ。「せんたく便10パック」は4,777円、「せんたく便5パック」は3,277円、「せんたく便10パックDX」は5,777円、「せんたく便5パックDX」は4,277円となる。このサービスも大いに注目されるところだ。

2回目以降は、1度目の利用で戻ってきた洗濯物と一緒に、「せんたく便専用バッグ」(縦46×横37×高さ20cm)が送られてくるので、こちらを利用することとなる。ヤマトの集荷サービスを利用してもいいし、ヤマトと提携しているコンビニから出すこともできる。このような面でも、1回目より便利さは増している。

では、実際に「せんたく便」で送られた洗濯物は、どのような流れで作業が行われているのだろうか。次回は、工場での一連の作業について、ご紹介していこう。